今はこんな小さいもので、

いつでもどこでも音楽が聴けるってすごくない?




*さて、私が歌っている歌はなんでしょう?



昭和な子ども時代を過ごした私・・・





そうラジオ付きカセットプレイヤー

通称・ラジカセ(録音機能付き)。


小学校の頃、

姉とよく自分たちの歌を吹き込んだわ~



*さて、私が歌っている歌はなんでしょう?


マイクの代わりに、

孫の手やヘアーブラシ片手に・・・


コードを繋ぐ録音機能なんてなかったから

(あったのかもしれないが・・・)

レコードからカセットに録音する時ったら、

そりゃ、命がけよ~!!


レコードプレイヤーの横にラジカセ置いて・・・



シーーーー!!




ところが、こんなときに限って・・・





気を取り直してもう一度。

このメロディーで終わりだわ!

という時に限っていつもこうなる。





テレビに近づけて





昭和な時代の一コマ・・・ね。


そして、時代は昭和後半。

私が大学生のときだったわ。


ダブルカセット付きCDラジカセ

なるものが主流になった。


あれは、

Tちゃん宅に数人集まって、

試験勉強していた時だったと思う。


クラスのK君がまだ真新しいTちゃんの

ダブルカセット付きCDラジカセを見て言ったわ。





しみじみとそう言ったの。





試験勉強から来る現実逃避か?

何やらK君、語りだしたわ・・・。


試験勉強から来る現実逃避か?(まさにその通り!)

私はその話に食らいついた!





するとね・・・

K君は語り始めたの。


高1の時さ、

好きな女の子がいてさ・・・

ある日、

彼女に電話で告白しようと思ったわけよ。


オレ、最高の思い出にしたかったから、

最高のシチュエーションを考えたのさ。

当時、ダブルカセットなんてなかったから




そして、彼女に電話したのさ・・・




流れる曲は・・・山下達郎の

『アイ ラブ ユー』

受話器の向こうから

山下達郎のあの歌声が流れたら

なんだかロマンチックだろ?


♪アイラブユ~

アイラブユ~ウゥゥゥゥ~~♪

 



オレは意を決して言ったさ・・・



♪アイ ラブ ユー うぅぅ・・・うぅぅ・・・

 アイ ラブ ユー♪





すると彼女は・・・


♪アイ ラブ ユー うぅぅ・・・うぅぅ・・・

 アイ ラブ ユー♪






そうさ・・・オレは振られたんだ・・・。


こんな結末も考えていたさ!

オレは悲しみに浸っている暇はなかった。

震える指で、もう1つのラジカセの再生ボタンを押したのさ。

そう、人生初の女の子への告白、

最高の思い出にしたかったから・・・




流れる曲は小田和正の

   「さよなら」

♪も~お~終わりだね~ 





早く電話切りたかったんだけど・・・

オレのシナリオは、やっぱり・・・

この曲のさびの部分


♪さよなら~さよなら~さよならぁぁ~♪


そこまでは、何としても、

引っ張りたいって思っていたから・・・

取り留めのない話なんかしてさ・・・ははは


♪さよなら~さよなら~さよならぁぁ~♪


そして、電話を切ったんだ・・・


思春期の甘酸っぱい思い出さ・・・(遠い目)




あの時に、ダブルカセットがあったら・・・って?

K君・・・






私は1人感慨にふけるK君を遠い世界に残し、

そそくさと試験勉強を始めたのであった。



追伸:

この話を聞いて以来、「アイラブユー」と「さよなら」聴くと

巧みに2つのラジカセ操作しているK君の姿が

目に浮かんで、曲の世界に入り込めない・・・。

名曲なのに! K君・・・あんたを恨むわ!



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K君・・・(5年前くらいの)風のうわさでは、結婚して幸せに暮らしていると。きっとドラマチックなプロポーズだったんだろうな~。