シロの幸せだった日々(1) からのつづきです。


玄関に見覚えのない赤いハイヒールがあるのを見た私は、

すぐにリビングに駆けて出した。


あたし・主婦の頭の中


思い切りジャンプして、リビングにつづくドアノブを回し・・・


あたし・主婦の頭の中


開いたドアからリビングを覗くと・・・


あたし・主婦の頭の中


やっぱり女!!

えっ? あの顔・・・どこかで見たことがあるわ。


あたし・主婦の頭の中


そうよ! 女優の白鳥かれんよ!

33歳。大して演技も上手くないくせに、

長い間、清純派で売ってきた女優。


でも、年齢的に清純派で売るにも限界がきて、

最近じゃ『崖っぷち女優』と呼ばれているわ。


ヘアーヌードの話も来ているらしいけど、

本人はどうしてもそれが嫌で、

最後のカケとして、

潤君のドラマの相手役をすることになったって・・・

確かワイドショーで言っていたわ。


でも、何でこんな深夜に彼女がここに?


あたし・主婦の頭の中


えっ?私と目が合うなり彼女はすごい声で叫んだわ。

もちろん、彼女の声に驚いた潤君。


あたし・主婦の頭の中


私の姿を見つけると、潤君は優しく私を撫でてくれた。

すると、あの女はなんて言ったと思う?


あたし・主婦の頭の中


雑種で悪い?

それに潤君のイメージじゃないって?

失礼しちゃうわ!何なの、この女!


潤君が言ったわ。


あたし・主婦の頭の中


そして、話し始めたわ。私たちの出会いを・・・。


あたし・主婦の頭の中


潤君・・・覚えていてくれたのね。

ありがとう。私も昨日のことのように覚えているわ・・・。


あたし・主婦の頭の中


でも、そうよ!

何でこの女が潤君の部屋に来たというのよ!!


あたし・主婦の頭の中


えっ? そういうこと?


あたし・主婦の頭の中


えっ? キスシーン?


あたし・主婦の頭の中


ほら見なさい。潤君だって困っているじゃない!

なのに、かれんは後には引かなかった。


あたし・主婦の頭の中


そういうと、いきなり


あたし・主婦の頭の中


そして!!


あたし・主婦の頭の中


なんと、自らブラウスのボタンを外し出したじゃないの!!


あたし・主婦の頭の中


何考えているの。! この女!!

そして、なおも「暑いわ~」を連発して・・・


あたし・主婦の頭の中


そう言うと、窓辺に行き・・・


あたし・主婦の頭の中


潤君がクーラーをつけましょうかと言ったって、

おかまいなしで・・・


あたし・主婦の頭の中


ちょっと! 今は12月よ!それもこんな深夜。

いくら暑いったて、窓を開けたら寒いわよ!


ほら! 見なさい!

あなた、鳥肌立っているじゃない!!

あたし・主婦の頭の中


えっ? 鳥肌を立てながら、それでも、

ブラウスの胸元もはだけっ放し、窓も開けっ放し?


あたし・主婦の頭の中


かれんは潤君を窓辺に誘うと、

練習と称して、台本にある濃厚なキスシーンを

何度も潤君に強制した。


あたし・主婦の頭の中


先輩女優の申し出を断れない潤君・・・。

開けっ放しの窓の前で、何度も何度もやり直され・・・。


もしかしたら、かれんは潤君を誘っているのだろうか?

潤君がその気になるのを待っている?

そんなことを思い始めた頃、

かれんは急に素に戻り・・・


あたし・主婦の頭の中


そう言うと、そそくさと帰って行った。


あたし・主婦の頭の中

白鳥かれん・・・あの女は一体何を考えているんだろう?


翌日のことだった。

私たちがいつものように寝室で一緒に寝ていると・・・

あたし・主婦の頭の中


すごい怒鳴り声でマネージャーが入ってきた。

そして、いきなり大きな声でこう言った。

あたし・主婦の頭の中


昨晩の疲れでなかなか起きない潤君に

マネージャーは痺れを切らし、ついには強く頬を叩いた。


あたし・主婦の頭の中


まだ寝ぼけ眼の潤君に向かって


あたし・主婦の頭の中


マネージャーが目の前に差し出した新聞。

それを見た潤君は!!


あたし・主婦の頭の中


なんということか!!新聞には!!


あたし・主婦の頭の中


どういうこと!!

昨日の白鳥かれんとの練習風景が、

まるで寄り添う恋人同士のように撮られていた!!


「潤、どーゆーことなんだ!!」

そう詰め寄るマネージャーに、

潤君は頭を抱えながら何度も言った。


あたし・主婦の頭の中


私はそんな潤君を見ているのが辛かった。

だって、もし私が犬じゃなければ、

誤解を晴らすことができるのに・・・!


「それは誤解ですって!

私は見ていたんです!」

どんなに私が言ったって、それはただの鳴き声になってしまう。


あたし・主婦の頭の中


かえって、潤君を追い詰めてしまった・・・。

潤君の力になってあげれない自分がもどかしかった・・・。


同じ頃、某駅の改札の前・・・。

大きな帽子を目深に被った1人の女性が立っていた。


あたし・主婦の頭の中


女性はスポーツ新聞を手に取ると、

待ちきれないと言ったように、

読みいっていた、肩を震わせながら・・・。


あたし・主婦の頭の中


口元をゆるめ・・・

薄気味悪い笑い声を漏らしながら・・・。


あたし・主婦の頭の中


そして、ついには堪えきれなくなったのだろう。


あたし・主婦の頭の中


空に向かって高々と大きな声で笑うと、

赤いハイヒールの音を鳴り響かせ、

人ごみに消えて行った。


           シロが幸せだった日々(3)につづく



いよいよ次回はクライマックス、感動のラストです!(自分で言うか?)どうぞバスタオルのご準備を!(そこまで言うか?)


あたし・主婦の頭の中

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富士フイルム『フォトブック』HP更新しました。 第5話はこちら


今回はもうすぐ新しい年!ということで、

フォトブックタイプのカレンダーを作ってみました!


あたし・主婦の頭の中


今年の思い出のショットを、12ヶ月分選ぶ作業は、

この1年を改めて振り返るキッカケとなって楽しかったです!

このカレンダーと始まる来年は、どんな1年になるのかしら~。