カモナ マイ ハウス(3)最終回
カモナ マイ ハウス(2) からのつづきです。
皆、かなりお腹がいっぱいになったところで、
アイドル小林が言ったわ。
そう、アイドル小林はこの頃、
EMYさん の影響でタロットカードに目覚めたのよ。
編集部では、なかなか当たると評判だそうで、
テーブルの端が即タロット占い館になったわ。
興味津々な我々は大興奮で、順番にみてもらうことにしたの。
皆は何を占ってもらっているのかしら?
気になってしかたないじゃない!
うちの夫は、占いには全然興味のないタイプだけど、
せっかくだもの、どう?
恐らく夫『人生初占い』。
アイドル小林がカードをめくる。
タロットカードが読めない私が見ても、
何だかすごく毒々しいカードが出たわ!
すると、アイドル小林が夫の顔を
マジマジと見つめながらこう言ったの。
早くも動揺を隠せない様子の夫・・・
つには、胸を押さえながら、
はぁはぁ呼吸まで苦しげになっちゃったじゃない!
そんなに動揺しなくたって・・・
もしかして、案外信じやすいタイプだった?
そんな夫の様子を見て、アイドル小林は
慰めるようにこう言ったわ。
私も言ったわ。
「そんな100%信じて、震えあがらなくてもいいんじゃない?」って。
すると・・・その後、夫はこんなことを口にしたのよ!!
はぁ~~??
やはり夫は占いとは無縁な男・・・。心配して損したわよ!
ひとまず占いの館が閉館したところで、王子がまた台所に立って
今度はパスタを作ってくれることに。
左から、腕の肉を潰さないようにしっかりポージングしているものの、
「どこ見てるんだ? おい!」的な私、王子、アイドル小林、
そして長女。
そして、完成したのが、ナスの和風パスタ!
実は長女はナスが嫌い。食べるかな・・・と思って見てたら、手を伸ばした。
やっぱり王子がせっかく作ってくれたんだもん、食べないとね。
一口食べた長女が言ったわ。「ママ、ナスって美味しい!」
でね、この時から、長女はナスが好物になったのよ。
王子パワー、恐るべし!
にょろりはここで、仕事があると言って泣く泣く退席。
にょろりが食べられなかった和風カルボナーラ
パスタ好き! 特にカルボ好きな夫が言ったわ。
「今まであなたが作るカルボが一番と思っていたけど・・・
ごめん! このレシピ、教えてもらって~~!!」
それから、王子はデザートまで用意してきてくれて・・・
なめらかプリン。
あと、杏仁豆腐も作ってきてくれたのだけど、
残念ながら、写真、撮り忘れてしまったわ。ごめん!
美味しいデザートも頂いて・・・気がつけば、
お腹も目も大満足な夜は、ここでお開きとなったわ。
駅まで送って行こうと、家を出ると・・・
王子が夜道を歩きながら、胸ポケットから何やら
ゴゾゴゾを取り出していた・・・。
暗くてあんまりよく見えないけど・・・
あら? タバコかしら?
遠慮して家じゃ吸えなかったのかしら?
そんなことを思いながら、王子の先を歩く私。
駅に着くと、改札のところで、王子が言ったわ。
そうして、順番に皆に名刺を渡し始めた。
子供だからもらえないと思っていた長女にも1枚。
長女は喜んでいたわ。そして・・・
あら、そんなに配っていたら、名刺がすぐになくなってしまうじゃない?
そう思った私は、一応断ったの。
でも、断る私に王子は力強い声で・・・
その力強い「ハイ!!」に驚いて、王子の顔を見ると・・・
いやだ~その思いつめたような真剣な瞳、
その瞳から、王子のこんな心の声が聞こえてきそうよ・・・。
王子にホームに飛び込まれても困るから、
(だから、そんなこと言ってないって?)有難く頂戴したわ。
そしたらね、長女が小さい声で私に言ったの。
見ると、長女のもらった名刺の裏にはメッセージが・・・。
えっ? 急いで私がもらった名刺を裏返してみると・・・
そこには、走り書きの文字。
いやだ・・・そういうことだったのね、王子・・・。
さっき暗がりで王子が胸元から出していたもの。
細い棒と長方形の箱は、タバコではなかったのね。
王子は駅まで向かう暗がりの中、
歩きながら名刺の裏に必死にメッセージを書いてくれていたのよ!
私は、横にいる小林さんに伝えたわ。
それを見たアイドル小林は、急いで自分がもらった名刺を返し・・・
そして、私に見せ・・・ガッカリしたような声でこう言ったわ。
あら?
小林さん、真っ白なの?
あなたにはラブメッセージ(どこがラブ?)書いてなかったの?
いやだ~ごめん!ごめん、ごめん!
何だか自慢しちゃったみたいで、ごめんね~ハハハ・・・
謝りながらも、この高笑い!
人生初の優越感に酔いしれる私を許して!!
ラブメッセージ(だから、どこが?)付きの名刺を胸に
ルンルン気分(古い?)で家に帰ると・・・
あら? 家の中がすごく片付いているじゃない?
そういえば・・・
今日は珍しく夫がせっせと何度も食洗機に
食器を入れて、片付けていたっけ・・・。
皆がいる時に、わざわざそんなことしなくてもいいのに・・・
と思っていたけど、お陰ですごく助かったわ。
すでに、夫は酔っ払って寝ていたから、
翌日、私は起きたらすぐに夫に言った。
すると夫は、なんて言ったと思う? こう言ったのよ。
「あーあれさ、失敗に終わったよな・・・チッ!」
えっ? 失敗って何?
実はさ、俺がキッチンでせっせと食器洗っていたら・・・
それを見た小林さんがさ、
って、言ってくれ、誉めてくれるんじゃないかって期待して・・・
俺、一所懸命頑張っていたんだけどさ・・・
それなのに、小林さんったら、お喋りに夢中でさ、
そんな『家庭的な俺の姿』に、全然気づいてくれやしなったじゃん!!
俺としては、さりげなく気がついて欲しかったんだけど・・・
洗い物しながら、積極的に声をかけるとか
もっとアピールすればよかったかな・・・(涙
夫よ・・・そんな下心があったってわけね。
でも、私にはそんな気持ち、すごくわかるわ。
だって、私も妄想族。
夫婦って気がつけば似たもの同士になっている、
これって・・・どうやら本当のことのようね。
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