長生きしてね
先日、夫が会社から帰ってくるなり、こんなことを言い出した。
えっ? 何か自覚症状でもあるってこと?
すると夫はこう言った。
仏に近づいているって? 何だそれ?
オレって・・・自称「ナイフのような男」で通してたじゃない?
涙の似合わないクールな男とでもいうか・・・。
なのにさ・・・
ほら、人って、歳とって、最期が近づいてくると・・・
どんな人でも角が取れて、仏のような優しい人になるって言わない?
オレ・・・怖いんだ。
さっきもさ、帰りのバスの中で降りる時にね、
三歳くらいの男の子が運転手さんに言ったんだよ。
そしたらさ、運転手さんが優しい声でこう返したんだ。
それだけでも十分感動的だったのに・・・
って・・・。そしたら運転手さん何て言ったと思う?
その言葉に愛が・・・愛が・・・
話しながら、また思い出して泣いていた・・・。
それも号泣である。
確かに、そう言われてみれば、夫はこの頃泣いてばかりいる。
先日も長女の学習発表会があったんだけど・・・。
ほら、私は元々すぐに感動するタイプの人間だから、
子供たちがステージに上がった時から、感動モードスイッチオンで・・・
子供たちが精一杯大きな口を開けて歌っている姿みたら・・・
その姿がね・・・けがれを知らず、懸命に生きている
ヒナ鳥の姿に重なって・・・
涙が止まらなくなってしまった。
きっとこの広い会場の中、私みたいに初っ端から
こんなに泣いている親なんて他にはいないんだろうな・・・と
横を見て、あんぐり!!
いたよ! いた! それもこんな近くに!
夫が泣いていた。それも私より激しく・・・。
その時、仏の心に近づいているという夫のあの言葉が
よみがえってきた。
そうなのだ。夫はついこの間まで、
私が何かに感動して泣いていると、
と、泣いている私を見て呆れ・・・そして口癖と言ったら・・・
ツッぱることが泣かないことが男のたった一つの勲章(by嶋大輔)
みたいなことをほざいていたのだ。
その最近の夫の泣き虫ぶりを母と姉に話して聞かせた。
すると、今までの夫をよく知る母も姉も大うけだった。
↓コレナニダ?
すると背後から
「うぅ・・・うぅ・・・」
不気味なうめき声が聞こえてきた・・・。
そうだ・・・父である。
私の話を一部始終聞いていた父が
たった1人肩を震わせて泣いているではないか!!
泣かせるよ、まったく・・・。
バスの運転手さんの話だって、
発表会で頑張る子供たちの顔にしろ・・・
それを聞いて泣かないやつの方がおかしいさ・・・。
まして笑うなんて人間失格だよ・・・。
そう言いながら、顔を上げた父の顔を見て!!
えっ?
すっかり仏になっていた?!
ちょっとパパ、勘弁してよ。
その歳じゃ洒落にもなんないから!!
そうだ。今日は父の72歳の誕生日。
パパ、まだまだ今の人間の姿のまま、どうか長生きして下さい。
お誕生日、おめでとう!
↑この絵をクリックお願いします。ランキングに加算されます。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
昨日の記事にも沢山のコメントをどうもありががとうございました。「あかる」という名前の由来ですが、当時三歳だった長女が亡くなった「みんみん」と同じ黒猫だったので、「赤ちゃんみんちゃん」と呼びたかった、でも、呼べずなぜか「あかる」。私はエリザベスとかイライザとか、せめて飼い猫の名前だけにでもリッチな雰囲気漂わせたかったんですが・・・あかる。でも、今はどこから見ても「あかる」、彼女にぴったりの名前です。では、今日も最後までお付き合いくださり、ありがとう!
コメント
コメント一覧 (1)
うちの主人も30代前半位まではジャックナイフみたいでしたの!免許証の写真も「何撮ってんだよ、あぁ?」みたいなキレキレ顔。
一番最近の免許証更新で撮った写真はなんと、ちびまるこちゃんの友藏おじいちゃんみたいに穏やかでとても驚きました。
先日は、電車の中で盲導犬を見たと興奮して帰ってきてその健気な姿を一生懸命私に説明しながら泣いてしまったのです。
やさしか奴ばい。