【2007年の過去記事です】


昨日のこと。

私は楽しみにしていたイベントに行くため、

朝から念入りに化粧をし、下の子を実家に預け、

電車に乗りました。


お昼の12時過ぎの中央線。

電車は空席こそなかったものの・・・

とても空いていました。


私はドアの前に立っていました。






すると突然、男の怒鳴り声が聞こえました。



「オメエ!その乳母車、

たためねーのか!」



見ると男が膝の前にベビーカーを置いた

お母さんに向かって怒鳴ってました。






男は続けました。






お母さんはまだ首も座らない赤ちゃんを抱え、

何も言い返せません・・・。


私もそうです。


いくら理不尽なことを言われても、

小さな子どもと一緒だと

守るべき存在が大きすぎて言い返せないのです・・・。






男はしつこく追い討ちを掛けます。


私は間に立って、言いました。






これでこの男の怒りが収まってくれればいい・・・

そう思ったです。


お母さんの膝元にあったベビーカーを

ドアサイドに移動させました。

これなら男も文句はないでしょう・・・。


私は平和主義者です・・・。



しかし!



この男!

まだ言っていやがる!






ブチッ!







それでもまだ怒りレベル3ほどで・・・。






私は言いました。


すると、男は声のする方に振り返り・・・

私を見つけるや、私に向かって怒鳴り始めたのです!






この言葉で、


怒りレベル5!!

MAX達しました!


心の中でもう1人の私が言います。


「どうしたあたし!爆発しちゃってる?

もう止まらないみたいだけどいい?あたし?」



私はもう1人の私の答えました。



「おぉケンカ上等!」


もう言うしかないね!






男は目から火花を出して言いました!






私も負けじと目から火花噴出して言ったわ!






男よ!普通こーゆー時は

「つべこべ言ってるんじゃねーよ」が正しいんじゃ?


常識非常識抜かす前に

日本語勉強してからものを言え!

(さすがこれは言わなかったけどさ・・・)






はぁ?





そう!ここに乗っている皆さんにジャッジして

もらうのが一番だ!

あんたが非常識だってことがわかるだろ!


私は言った。大きな声で



「ね!皆さん、

どう思いますか?」



「そーだそーだ!あんたが正しい!」

「他の場所に立てばいいんだ!」

「そんなことで怒るな!」


私に賞賛の拍手!

うなだれて次の駅で降りていく男・・・。

これが私の頭に描いた脚本でした。


じゃ本番行くわよ!


「ね!皆さん、

どう思いますか?」






そこのおじさん、そこのおばさん!

そこのおにいさん!そこのおねえさん!


そーかい、

皆守るものがたくさんあるってわけかい!

わかったよ!わかったよ!

あたし1人で正義を貫くよ!


すると、私を思ってくれたのか、

今まで責められていただけのお母さんが

すっくと立ち上がりました。


そして、男に向かって言った!






席を立つとお母さんが私の方にやってきた。

男は依然怒鳴ってます。


でも、四面楚歌の中、仲間を見つけた私は

それだけで救われた・・・。






その時、

お母さんの腕に抱かれた赤ちゃん・・・

何も知らずにニコっと微笑んでいる姿を見たら

涙がこぼれてきました・・・。


まるで「ありがとう」と言っているように見えちゃって・・・。






次の駅で何も知らない乗客が

男と私たちの間に2人立ちました。


心強い盾です!

仮に怒りに震えたあの男が襲ってきても

とりあえずはこの盾で守られるでしょう。


私は盾を手にしたことで強気になって、

言ってやりました。






何だと?何だと?と怒っていた男も・・・

やがて、私たちの視界から遠ざかっていきました。



あばよ!ちいせえ男!


ほどなくして、

お母さんが降りて行かれました。






私たちはすっかり前向きに立ち直れ、

手を振り合いながら別れました。


さすが、終点の東京駅に降りたときは、

周囲を確認しました。

あの男にホームから突き落とされでもしたら・・・と。

幸いにしてあの男はいませんでした。



子どもがいない時、

私だって電車の中で泣き叫ぶ赤ん坊がうるさくて嫌だった。


混んでる電車の中のベビーカーも邪魔だなぁと感じた。

子どもをいい訳に

都合よく生きようとしている母親たちも軽蔑していた・・・。


でも、自分が子どもをもって、いろんなことがわかってきた。


子どもがいると、

愚図ったり、ベビーカーが邪魔だったり、

支度にてこずり遅刻したり、

大切な約束の時に限って熱を出してたり・・・

迷惑を掛けることはたくさんある。


でもそれは本当に限られた短い時期なのだ。


小さい子どもの手を引いて歩いている私に、

「ノロノロ歩いているんじゃねぇ!」と言った男性もいた。


私は偉そうなことはとても言えない。

けれど、思うのだ。


あなただって、歩いてきた道なんだと。

そして、年を取ったとき、あなただって

通って行く道なんだと・・・。


東京駅のホーム、

ちょうど会社の昼休みの時間・・・

私は夫の携帯電話に電話して、

今あったことを夫に話した。


最初は怒りに任せて喋っていたが、


「誰も!誰1人として

私を加勢してくれなった・・・

何でこーゆーときにあなたが

傍にいてくれないのよー!」



そう言ったら涙が零れた。




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この記事は、ブログを始めてまだ半年くらいの頃のもので、すごく印象に残っている記事の1つです。というのも、コメントが初めて100件超えたのが、この記事だったから。いろいろなコメントがある中で、「危ないです!こういうことはやめた方がいいです」というアドバイスもたくさん頂戴しました。本当にその通りだと思います。もしかしたら、刺されていたかもしれません。

でも、1人でいたら、これからも黙っていられる自信が私にはないのです。