【2008年に書いた記事です】


20代の頃って、感じなかった?

自分中心に世界は回っている!という錯覚。


そう、常に自分にはスポットライトが当たっていて、

周りの人はチヤホヤしてくれるし、

若いというだけで、何でも見逃してもらえるし、

有難たがられるし・・・。


流行のファッションも遊びのスポットも

全部自分たちが発信している

っていうようなプライドってなかった?






でも、段々と気がつくの・・・。

スポットライトの真ん中から少しずつ外されて行く感じを。






30代を迎える時、私は恐怖に怯えた。

大袈裟じゃなくて、本当に。


今まで当たり前に自分に当たっていた

あのスポットライトの外に

追いやられる日が近づいていることに・・・。






でも、誕生日は来る。

誰にでも平等にその日はやってくるもの・・・。

30歳の誕生日、私はスポットライトから外れたの・・・。






30代は、子育てに追われた。

でも、まだあきらめきれない自分への自信。


体力だって20代の若い子に負けてないはず!

まだ第一線で何かできるんじゃないかっていう自負。

それに現実が伴わない焦り。


子供をあやしながらも、いつも思っていた。






公園の砂場で考える・・・。






子どもと一緒にどんぐり拾いをしながらだって・・・






私、このままどうなっていくんだろう・・・。


そして、決まって、そう! 

今まさに人生のスポットライトが当たっている若い子たちを

遠目で見ながら思うのだ。






あんな輝いた時代は、

もう過去のものなんだって・・・。


そして、今度は40代が待っていた。

それは、あっという間にやってきた。


どんなにあがいても正真正銘のおばさんだ。

今スポットライトを浴びているあの子たちの母親

そう言ってもおかしくない歳。


40代が目の前に迫ってきた時の恐怖ったら・・・!!

40代はヘビーだ! 私には重すぎる!






何とか30代に留まっていられない?






30代で私の人生止まって欲しい。


子供の頃、読んだ物語に、

人魚の肉を食べた人は、

それ以上歳を取らないって書いたあった。


人魚の肉が売っていたら、私、

どんなに高くても絶対買う!

借金してでも、ローン組んでも絶対に買うわ!


そんなことを真剣に思ったりした。

これ以上歳なんか取りたくないもの!


でもね・・・現実はとても自然にやってくるのだ・・・。






ごく当たり前に私は40歳になった。






現実を受け止めないといけない。

そのためには、あきらめという言葉がぴったりだった。


人生のスポットライトははるか遠く・・・。

そう、これから私はおばさんとして、

ひっそりと人生を送って行けばいいんだ・・・。






そんな気持ちで、40代の入口をトボトボと歩いていた時だった。






私の足元に転がっていたもの・・・。






拾い上げたら・・・

それは小さな懐中電灯だった。






スイッチを入れてみた。


そうしたら、それはとても小さい範囲だったけど、

でもね、私だけに光が当った・・・。






その時、気がついたの。

若い時のあのスポットライト。


あの中にいた私は、

いつも世間の目ばかり気にしていたって。


ライトから外れるのが怖くて、

流行の服に身を包んみ、

それが例え似合わなくたって関係なかった。


話題のスポットに身を置いて、

居心地の悪さを感じていたって構わなかった。


ただ皆と同じ方向を向いていることに安心してた。

人と自分をいつも比べては、

優越感に浸ったり、落ち込んだり・・・

いつも人の目を気にしていたわ。

このライトの下にいるために・・・。






でもね、40代、

私が手に入れたこのライトは、違った。


世間から照らされるんじゃない、

自分で自分を照らすものだ。


人の目なんか気にならない、

例え皆があっちの方向を向いていようが構わない。


自分の心が満たされていたら、

いつだってこのライトはそんな自分を照らしてくれる。


そうよ! 世間の目がなによ!

40代、このマイライトでガンガン自分を照らせばいいんだ!






そのことに気がついたらね、

あんなにヘビーで恐怖だった40代が

何だかすごく素敵な世界に思えてきたの。


負け惜しみじゃなくて、私は思った。

「歳を取るのも悪くない」って。


ありのままの自分を受け止めることができるって、

どうしてこんなに幸せなの?


自分は自分、他人は他人、

自分が幸せか不幸かだって、

人が決めることじゃ決してない。

自分がどう感じるかなのだ。


輝くのも輝けないのも、

自分自身に掛かっているってすごく素敵なことかもしれない。


それにね、

この40代のライトはね、

都合の良い時は消しとけばいいの・・・。






ほらね、ライトが当っていないのも、

案外いいものじゃない?


かつての私のように40代に怯える30代の皆さん、

40代、ヘビーだって思うよね。

その気持ちは本当によくわかる。

私、怯えまくっていたもの。


でもね、40代の先輩から一言言うわ。

40代案外いいかも! いや、かなりいいわよ! 

不思議なんだけどね、自分の歳を聞かれるの、

嫌な気分じゃなくなったの・・・。


バンバン言っちゃう! 「41歳!」

歴史のある女の古って素敵だと思わない?




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この記事書いた時、41歳だった私も、あと数年経ったら50代よ!半世紀よ~。すごいわ! 50代に怯えてるかって? 怯えてはいないんだけど、焦ってる。50までにもう少し内面磨かなきゃ恥ずかしいなぁ~って。