子どもの頃、
私がくしゃみでもしようものなら

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母親は、まるで鬼の首をとったようにこう言った。

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そして、ここぞとばかりに小言を言うのだ。

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自己管理の甘さを責めたてる。

前日に思い当たる節がなかったときには

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3日前にまで遡り、
風邪を引いた原因をわざわざ
見つけ出してくる。


私は、よく加藤茶みたいなくしゃみをする。

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その度に家族には、こう言われる。

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しかたがないのだ。
これは子どもの頃の後遺症。


くしゃみをしても
母に怒られないようにと

私が身につけた技なのだ。

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遊びに行った次の日に
体調を壊そうものなら
いつもの何倍も怒られる。

だから遊びに行った翌日は、

いつも以上にテキパキ機敏。

これも、この年齢になった今でさえ
抜けない習性。

熱が出たら、
果物の缶詰が食べられたり、

病人ならではのスペシャルケアー?は
あったものの、

私はいつも布団の中、
風邪を引いてしまったという
罪悪感を抱えながら休んでいた。

私にとって風邪とは、
そんな『負』のイメージだった。

ところが、あれは結婚して
初めて体調が悪くなった時だ。

私は今までの癖でガマンしていた。

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しかし、ついに
こみ上げてくる咳をガマンしきれず


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そう思った瞬間、
夫は私にこう言ったのだ。


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私は自分の耳を疑ったわ。

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可哀相、その言葉の裏には

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そう言っているように、
私の耳には届いたのだ。

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いつもより8割増しに見えた瞬間。

そのあと、私は同情されまくりの
被害者気分で

ベッドに横になりながら思ったわ。

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それは生まれて初めて病人になった
ことから得られる心地よさだった。


その時、思った。
病人にはこうあるべきだ!と。

ただでさえ具合が悪いのに、
なぜ怒られて、
後ろめたさを抱えながら
病に立ち向かわなければならないのだ!

私も家族の体調が悪いときこそ
優しく接してあげようと!

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心の中でそう誓ったあの日・・・。

ところがである。
GW明けの朝のこと。

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長女のくしゃみを聞いた私は
まるで鬼の首取ったようにこう言った。

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自分で嫌になるくらい
あの頃の母にそっくりである。

そんな中、夫だけはあの頃と変わらず

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天使のままだ。

そんな夫を見て、私は反省する。

でも、でもね、母となった今、
少しだけあのときの母の気持ちも
わかる気がするのだ。

子どもが風邪を引くと母は心配だし、
大変なのだ!

そして、いつも母は

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そんな使命感から、
徹底的な自己管理をして生活をしている。

だから、その反動で
つい安易に?風邪を引く子どもたちを
叱ってしまうのかもしれない。

風邪を引いたときくらい

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そんな女神でありたいとは
思うんだけど、つい・・・。



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子どもの頃、「早く寝なさい!」「早く(服を)着なさい!」「ほら、風邪引いた」「食べたら食べっぱなし、飲んだからの飲みっぱなし」母に言われるたび、疎ましく『わかってるよ!』とホント嫌な気持ちになった。でも、今、娘たちに同じこと言ってしまう。『うるさいな』と思われているのはわかっていても。