私の父は去年、視力を失った。
そのことを書いた記事はこちら

お正月に実家に行ったら
ベッドで横になっていた父が
少し改まってこう言った。

スキャン 1891

何かと思って構えていると

スキャン 1892

そう、父は昔から筆まめで
時間があれば、
何か手帳に書き込んでいた。

手紙もよく書いてくれた。

年末に掃除をしていたら
こんな手紙が出てきて
思わず笑ってしまったわ。

長女がまだ小学2年生の頃、
父と一緒に千倉海岸に行った時に
そこできれいな桜貝をたくさん拾った。

スキャン 1893

その旅行から帰ってきて数日後、
貝殻と一緒に
こんな手紙が郵便受けに入っていた。

私は千倉海岸の美人な貝がらです。
きれいな太平洋の海で体をみがき、
少しずつきれいになっていたのに
3月4日、
東京から来たおねえちゃんに拾われ
おぢいちゃん(原文ママ)の袋に入れられてしまいました。

今日 おぢいちゃんに体を洗ってもらい
きれいになりました。
海からはなれてさびしけど
ぺーちゃんといっしょならたのしいわ。
いつまでもかわいがってください

千倉かいこ



私もそうだけど、父の文章の特徴は

なんでも擬人化するところだ。

さて、そんな筆まめな父が
書き溜めていた手帳はたくさんある。

父は言った。

スキャン 1894

そんなことを言われたら
なんだかグッときてしまう。

スキャン 1895

親が歳を取るのは切ないものだ。

親が死を意識した発言をした時、
「何言ってるの!」
ともう笑い飛ばせない

そんな時を迎えていると知らされるから。

でも、しんみりしてばかりもいられない。
これも私にできる親孝行だわ!

スキャン 1896

そう言うと、
父は安心したように大きく頷き

そして、ベッドの下から
1冊の手帳を取り出し、
それを私に差し出した。

スキャン 1897

緑の手帳・・・。

いつも決まって
黒い手帳を使っていた父が、
なぜか最後の手帳は緑・・・
緑を選んだのには、
父なりに何か思うことがあったのだろうか?

その手帳を父から受け取り
私は力強くこう言った。

スキャン 1898


ところが・・・

その緑の手帳・・・
どう見ても手帳じゃない・・・


スキャン 1899


さっきまでの
厳粛な親子の会話はどこへ?


スキャン 1900

そのあと、ふたりで大爆笑よ。

スキャン 1901

クリスチャンでもない父が
なぜ聖書なのよ!

やっぱり父とは
真面目な話をするよりも
いつまでもこうして大笑いしていたい。

でも、父のためにも
その手帳は近日中に

探してあげなくちゃ、
これも私にできる親孝行よ!




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父の大切な手帳はどこに? ということで、姉と来週の週末、父の部屋を大掃除することに決めた。要らないもの要るものも、父が元気なうちに少し片付けておいた方がいいということもあって。実家の断捨離も大変で気が遠くなるけど、こういう時、娘って、結構大胆だったりする?