仕事から帰ってきた夫が
着替えもせずに背を向けて、
何か始めた。

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回り込んで、見てみれば、

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すると、夫が話し始めたわ。

日曜日のこと。娘たちに言われたんだって。

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でも、その時は面倒で先延ばし。

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そして、月曜日。
会社のトイレで、夫は気づく。

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その日は、1日
うつむき加減に仕事をし・・・
「やっと帰れる!」
帰宅ラッシュの電車の中。

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隣を見れば、すごい美人が立っていた。

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夫は気づく、自分の右の鼻毛の存在を!

身動きの取れない車内、
右側には美女が!

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夫は心から後悔した。

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それで、帰宅後すぐに
鼻毛の処理をしていたというわけなのだ。

すると、長女が言った。

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いつもの毒舌はどこへ?
優しい長女の言葉は
夫の心のやわらいかい場所をしめつけた。

でもね、やっぱり
長女は裏切らない!

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呑気に笑っていたら、長女に言われた。

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笑っている場合じゃなかったわ!

右だけ鼻毛ボーボーの
中年おじさんの奥さんって、
この私だわ!


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ほんと、夫と知り合って29年・・・。あんなに見つめ合って、胸ときめかしていた2人はいずこへ? もはや『魂』のレベルで会話しているといった感じか? もし私が整形しても、夫は気づかないかもしれないわ。 それにしても、なぜ右だけ? 鼻にも右利きとかあるのだろうか? 人体の不思議だわ。