夕方、お金をおろしに
駅のATMに行った。

私の前は若い男の子だった。

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私の順番が回ってきて
機械の前に行くと、
取り忘れたお札が2枚。

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急いでお札を持って、彼を追ったわ。

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お札が2枚だったから、
てっきり2万円だと思っていたら

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ATMで2千円だけおろすって行為が
なんだか母性をくすぐるわ。

そして、私もお金をおろして
帰ろうと思ったら・・・

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よく見ると

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そんな時期だもんね〜。

ふっと目に入ったのは

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ちょっと緊張した面持ちで
その輪の中に加わっていたわ。

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    ↑勝手に決めつけてる

家までの帰り道、
いろんなことを考えちゃった。

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気がついたら、口ずさんでいた。

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さだまさしの名曲『案山子』を。

歌えば歌うほど、声は大きくなり、
歌えば歌うほど、涙が溢れてきて・・・
家に帰った時には号泣だった。

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長女に言ったら、
バカにされるに決まっているわ!

そう思っていたのに、
私の話を聞いた長女は

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そして、話し始めたの。

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だけど、言ってた。

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東京に出てきたばかりなのに、
カッコ悪いなと思いながら・・・
親にそれとなく電話してみたんだって。

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お母さんの「帰っておいでよ」
その言葉に救われたんだって!

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長女からの話を聞き、また号泣する私。

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思わず叫んでいたわ!

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なぜか伝えたくなったのよ!
みんな、頑張ってるって!







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なんかこの歳になると、みんなが自分の子供のような気持ちになるというか(迷惑だと思うが)一人一人の肩叩いて、頑張ってね!と言いたくなる。お腹空いてたら、うちに食べに来なさい!と声をかけてあげたくなる。危ないおばさんだと思われるから言わないけど。
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