あなたは どんなカーテンがいい?
ある日の次女の絵画教室でのこと。
先生が言いました。
それは『クマさんのあたらしいカーテン』というお話でした。
(ストーリーを母の記憶で再現すると・・・)
クマさんがうさぎ柄の新しいカーテンをかけて寝ると、
なんだか騒がしい。
そこで、目を覚ますと、部屋中うさぎだらけ。
カーテンからうさぎが飛び出したのです。
これじゃうるさくて眠れないよと思ったクマさん、
今度はさかな柄のカーテンをかけて寝ると・・・
そう、今度は部屋中、さかなでいっぱい。
そこで、クマさん、
今度は木のカーテンをかけて寝ることに・・・。
これなら静かに眠れそうです。
ところが、騒がしいと目を覚ますと、
たくさんの鳥が部屋中を飛び回っていた。
クマさんは、もうカーテンはこりごりだと
カーテンをかけずに眠ったとそんなお話でした。
紙芝居を読み終えて、先生は言いました。
「みなさん、この画用紙に真っ白なカーテンが描いてありますね。
これからこのカーテンに好きな模様を描いてください」
「はい!始めてください」
後ろで見学していた私は、
すでに頭の中は自分だったら、どんなカーテンがいいかと考えることに夢中だわよ。
私だったら・・・
そうだわ! このカーテンで決まりね!
私は早速、とびきりのカーテンを窓にかけ、眠りについたわ。
あら? なんで閉じている瞼が小刻みに動いているの?
眠らずに何かを期待している?
しばらくすると・・・ほーら!!やっぱり!!
でも、私は少し迷惑そうに目を開けるわ~。
そうして言うの。
「ど、どうして、嵐がここにいるの?」
ふふふ・・・私にはわかっているわ。
だって、寝る前に私は嵐柄のカーテンをかけたんだも~ん!
だから、寝(厚)化粧にも力が入ったの。
もちろん、可愛いピンクのネグリジェもしっかり用意よ。
やっぱり嵐柄のカーテンで決まりかしら?
あっ、でも、ちょっと待ってよ。
なんでも叶えてくれる夢のカーテンなら・・・
こんな私の叶わぬ夢も叶えてくれる?
私の夢・・・
彼はきてくれるかしら?
Hee Hee
Ooh~
Go on Girl
Aaow!!
えっ?
ほ、ほんとに、ホントに彼が来てくれたというの?
Aaow!!
私の夢、それは『The way you make me feel』のPV、
タチアナ・サムツェン演じるマイケルにしつこくナンパされる役を
いつもこの曲を聴いていると、
誰もいないのに、すかしてツンツン歩いてしまう私よ。
あぁ、このカーテンならマイケルが亡くなってしまった今、
叶えたくても現実不可能な私の夢だって、叶えてくれるかもしれないわね!
(えっ?生きていたって無理だって?わかっちゃいるけど、言ってみただけ!)
あぁ、マイケルにしつこく口説かれながら、
あなたになんか興味ないわよ! って感じに歩いてみたいわ~
やっぱり、マイケル柄のカーテンにしちゃう?
あっ、でも・・・
この柄も捨ててられないわ~。
この柄のカーテンをつけたら、私は巨大虫取り網を手に
スタンバって寝るわ。
やがて聞こえてくるでしょう・・・。
パタパタパタ・・・
私は必死で網片手につかまえるわ。
蝶?
冗談じゃないわ!
蝶はこの世で私が一番嫌いなものじゃない!
蝶じゃなくて、これよ!
諭吉さま・・・
カーテン1枚、一晩のうちに億万長者なんて、
いいじゃない~!
と、その時、
「はい、そこでやめてください」
先生の声で現実に戻されたわ。
「○○君は、飛行機柄なのね~かっこいいね!
○○ちゃんは、ハート柄? かわいいわ~」
私は子供たちが描いた絵を見て反省したわ。
そして、いよいよ次女の番。
先生が次女の絵を見て言った。
その絵を見て、私は衝撃を受けたのよ!
そう、あれは絵画教室の前の日のこと。
一緒にスーパーに行ったら・・・
巨峰のパックを手に私に言ったの。
中にはまだそんなに大きくない巨峰の房。
値段を見て、目が飛び出したわ。
こ、こんな小さな房の巨峰に898(ハチキュパ)?
思わず1粒いくら?と計算したくなった程よ。
高い、高すぎるわ!
私は次女の肩に手をやり、そそくさと巨峰売り場から離れたわ。
そうして、パピコのぶどう味でごまかしたのだ・・・。
次女のカーテンにびっしり描かれていた柄を見て、
母は涙がこみ上げてきたのであります・・・。
次女が描いたカーテンの絵はこちら。
竜ちゃん、寝ている間にたくさんの巨峰が出てきて欲しかったんだね。
もう少し・・・もう少し待ってね。
そしたら、お腹一杯食べさせてあげる!
だって、ハチキュパは高過ぎるわ~。
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お盆の時、仏さま用の果物を買いに果物屋さんへ行くと、8こ1600円の小さいハウスみかんを指さし、次女が「これ!」と言いました。躊躇っていると「仏さんが食べたいと言ってるよ」と。先祖の霊が次女に憑依したのか?と信仰深い私はそう思い、買って帰ってくると・・・な、なんと、目を離した隙に、次女が7つも食べてしまいました。仏さまにも備える前に。
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