さよなら ともだち
毎朝、園バスのバス停まで次女と歩いている時、
次女が決まって言うことがある。
そんな次女に私は言うわ。
なんだと思う? この子よ!! この子!
そう・・・あなたよ!
バス停、駅まで続く車通りの激しい道に
毎朝、ハトがいるの。それも道路の真ん中に!
引かれたらどうするの!って、
いつだって見ているこっちがヒヤヒヤしちゃう。
毎朝、このハトを見つけると次女が言うのよ。
そう、私はこのハトを安全な場所まで導くのが日課なのね。
左右確認!
行きかう車が途切れるのを待って・・・私は挑むわ!
あまり脅かしてもいけないから、
最初の頃は、ハトに気遣って、
横綱の土俵入りのようにすりすりすりすり近づいていたわ。
横綱の存在に気がついたハトが飛び立ってくれるはず!
そう思っていたのに!!
あら・・・・ハトったら、ビクともしない?
そりゃそうよね。
車がそばを通ったって逃げないハトなんだから!
そのうち私も学習したわ。
もう少し過激にやるしかないって!
こんなのはどうかしら?
毎晩、練習している得意のあれで・・・。
♪テンテンテンテン テンテンテンテン
ほら、ほら、シッシッ!!
あなたも懲りない人ね~(人じゃないって?)
じゃ、これは?
ほら、どかないと、私に踏まれちゃうわよ!
♪タランタランタラン~タランタランタラン
あら? まったく、お呼びでない?
日に日にエスカレート。
もう少し怖い要素入れてみることにしたわ。
ふふふ・・・
これなら、震えがって逃げて行くはず・・・。
♪cause this is thriller~thriller night~
えっ? スリラーでもダメ?
だったら、もう叫ぶしかないわね!
するとようやくハトは私の声に驚いて飛んでいった。
なら、始めから叫べって?
このように毎朝、
私は道路の真ん中にいるハトを
安全な場所に導くために朝から大忙しだった。
ところが・・・今日のこと。
バス停に行ってみると・・・
ホントだ、道路にハトはいなかった。
よかったわ~
私だって、毎日毎日人目を気にしながら、
道路の真ん中で踊るのなんかごめんだわよ~
たまには休ませてちょうだいよ~
そう思ってたのよ。
そして、久しぶりにゆっくりとバスを待ち、
園バスに次女を乗せ、私はコンビニに向かったわ。
駅につづく道を歩いている時、
私はあることに気がついたの。
こちらに向かってくる車が、
一様に中央線を越して走っていることに・・・。
まるで何かを避けてるみたい・・・。
何があるんだろう?と道路に視線を向けたその時だった。
私の目に入ってきたもの・・・。
ま、まさか!!
たぶん、そのまさかだった。
私はその場に立ちすくんでしまった。
そうして、1人呟いた。
だから、だから・・・
さよなら、ともだち・・・
天国に飛んでいくんだよ・・・
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つづけて、鳥の話になりましたが、ハトとの思い出に書きました。ホントはハトは苦手なんです。でも、毎日、関わっていくうちに、いつの間にか情がわいてきたのですね。だから、今朝はすごく悲しい気持ちになりました。追いやっても追いやっても、道路に出てきたハト。始めは飛べないのかと思ったほど。脅してもヨチヨチ歩くだけだった。でも、何回かは飛んで、近くのビルの窓のところに止まったりしていたのに。残念です。
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