12月27日、公私ともに仲よくしていたアメーバブックス新社の編集者・アイドル小林が、外国に旅立った。


最終目的地はチュニジアでのアラビア語の勉強。でも、その前に、インドネシア、シンガポール、ミャンマー、インドをバックパッカーとして周り、パリに数カ月滞在する予定だという。

期間は最低1年、お金が続けばそれ以上、まだいつとは決めてはいないそうだ。


思い起こせば、アイドルと初めて会ったのは、私がブログアワードの賞をもらい、アメーバブックス新社から本を出すことになった時で、かれこれ3年半近く前になる。


初対面の印象は、彼女があまりに可愛いから、


あたし・主婦の頭の中

でも、頻繁に会うようになり、すぐにそれは私の嫌らしい偏見であったことがわかった。

彼女はあんな可愛い外見とは裏腹に、実にサバサバした男勝りの女性だった。


こんな話がある。

2人で磯のりのクリームパスタを食べた後のことだ。


あたし・主婦の頭の中


アイドルが私の口元を見て言った。


あたし・主婦の頭の中


いやだ~、すぐになんとかしなきゃじゃない!

でも、ここはおしゃれなイタリアンレストラン。テーブルの上には爪楊枝なんてものははい。

仕方なく、私は必死に舌を使い、歯に詰まった磯のりと格闘した。


あたし・主婦の頭の中


しばし格闘した後に


あたし・主婦の頭の中


と確認するも、敵は依然私の歯に、しっかりしがみついているらしい。


あたし・主婦の頭の中


私が困っていると、アイドルはキョロキョロと辺りを見渡し・・・


あたし・主婦の頭の中


やがて目を輝かせながら何かを見つけた。


あたし・主婦の頭の中


そうして、私の目の前にあるものを差し出した。


あたし・主婦の頭の中


それは・・・どうみても普通のナプキン。楊枝のように先の尖ったものではなかった。


あたし・主婦の頭の中


私が困惑していると、アイドルは実演してみせてくれた・・・。


あたし・主婦の頭の中


あの顔とその突拍子もない発想に私が呆然となったは言うまでもない。


あたし・主婦の頭の中


常々、私はそんな彼女の行動を見て、勿体ない! 勿体ないと思ってた。もし私が彼女のような美貌を持って生まれてきてたなら、もっと計算高くいい思いをして生きるのに!

そして、お節介とわかっていながらこんなアドバイスをしたものだ。


あたし・主婦の頭の中


「そしたら、見本をみせてあげるから! 3日間、その美貌を手にできたら私だったら・・・」


あたし・主婦の頭の中


「このくらいは美味しい思いをして帰ってくるわ」


あたし・主婦の頭の中


「あら? このくらい大したことはないわ~」


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男の憎悪を買うくらい朝飯前的な生きた方しちゃうんだけどなぁ~。えっ? だから、神は私にこんな容姿を与えなかった?


そんな飾り気のない彼女とは、もちろん外見も、年齢も違ったけど、とてもウマが合って、3年半とても濃いお付き合いをしてきたわけで、彼女から仕事を辞めて、留学に行くという相談を受けた時にも、それは是非行くべきだよと背中を押したのも事実。

でも、段々と出発の日が近づくうちに寂しくなった。


旅立つ日が近づいてきて・・・最後に2人きりで会ったのは、12月13日。マイケル・ジャクソンの追悼コンサート一緒に行った時だった。

2人してマイコ―の曲に合わせ、ノリノリで踊りまくり、最後、まだ幼い声のマイコ―の「I`ll be there」が流れた時は、泣きながら肩を組んで歌った。


あたし・主婦の頭の中


そして、その後、遅い夕食を一緒に食べたんだけど、その時、アイドルがこんなことを言った。


あたし・主婦の頭の中


異邦人。その歌なら任せて頂戴よ! 私は前奏を口ずさんだ。


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それに合わせてアイドルが歌い始めた。


あたし・主婦の頭の中


アイドルにダメ出しする私。悪いけど、昭和の歌にはうるさいのよ。


あたし・主婦の頭の中


そんなやりとりが終わった時、彼女がぽそりと言ったのね。


あたし・主婦の頭の中


彼女の今の、正直な気持ちだったと思った。

何かを始めようとする時、今いる場所から飛び出すことは、すごい勇気とエネルギーがいるものだもんね。何もそれは外国に行くことだけではなく、新しい環境に身を置くってこと・・・。


このままじゃいけないと思っていながら、なかなか行動に移せないことの多くは、その覚悟を前に立ち止まってしまうからなんだと思う。

でも、そこから飛び出す決心をした彼女が、今、そうした気持ちになるのは当然のことだと思う。その日はそんな話をいつまでもしていた。



それから出発前までの残された時間、時間を見つけてはランチして、送別会に参加して(送別会の様子はこちら )、日常的なメールを何回かして、そうして、出発前日、彼女からのメール。


『カータン いよいよ明日! 昨日心臓のドキドキが止まらなくて口から心臓が出そうになりました。楽しんできます!』


明るく元気に送りだしてあげたいと、私も前向きなメールを送った。


だけど、出発当日。

もう1度最後のいってらっしゃいが伝えられるかなと思って、メールをしたら、しばらくしてエラー通知がきた。その時、、あぁ、ホントに行っちゃったんだと、急に寂しくなってしまった。永遠の別れじゃないのはわかっているのに、遠くに行っちゃうんだと思うと涙がでてきた。



のぞこさ~ん、

今、あなたはきっと異邦人を口ずさみながらインドネシアのどこを歩いているのかしら? 私はここ日本で典型的な大晦日を過ごしているわ。


私はあの日から1日のうちで何回かあなたのことを考えています。

今どこにいるかな? 寂しがっていないかな? ご飯は食べたかな? 

そうして、気がつけばこの歌を口ずさんでいるのですよ


 あたし・主婦の頭の中


異邦人じゃないよ。さだまさしの案山子をね。知ってる?知らなかったら、これYOU TUBE 案山子

時には涙を浮かべながら歌っています。でもしっかり自ら突っ込むことも忘れてはいないわよ。


あたし・主婦の頭の中


でもね、こんな私とは対照的にきっとあなたは今日も元気に新しい街を闊歩していると信じているわ。


あたし・主婦の頭の中

これでもか!というくらいたくさんのものを吸収しながら前に前に歩いている。そう思っています。



あたし・主婦の頭の中

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皆さんは大晦日はどこでお過ごしですか? 私は家で友人夫婦と一緒に紅白見て、おそばを食べる予定です。

今年もブログを読んで下さりありがとうごいました。来年もどうぞよろしくお願いします。

それでは皆さんよいお年を~