そうして、学校から戻ると、私はすぐに母の顔を捨て・・・

に、変身よ！　気分はセブンティーン。（言い過ぎか？）

地元の駅で電車に乗ると、

電車の中はすでに嵐ファンがいっぱい！

お手製のパーカーを着た子たちもいたわ～。

皆、とにかく嬉しそう！

そんな姿を見ているだけで、私も幸せな気分になる。

私も電車に揺られながら、いろんなことを妄想してしまったわ。

４時半かぁ～。コンサート開演、１時間半前ね・・・。

今頃、潤君は何をしているのかしら？

そうね、楽屋で最後の打ち合わせをしているかしら？

シルクのガウンを着て、胸をはだけさせて・・・（発想が昭和？）

そんなこんな・・・を妄想していたら、

車内の暑さと緊張が加わって、顔だけが異常に火照り・・・。

ど、どうしよう・・・！！

すっかり気分が悪くなってしまったじゃないの！

私、吐きそう！

こ、こんなところで、倒れるわけにはいかないわ！

東京ドームの外では、すでにＴちゃんが待っている。

早く水道橋の駅に着きたい・・・

涼しい夜風に当ったら、きっと少しは気分も回復するわ・・・。

なんとか無事に水道橋の駅到着。

駅には人、人、人！！

駅からドームに向かう道も人でいっぱい。

なかなか進まない。

やっと待ち合わせの２５番ゲートの前に来ると、

Ｔちゃんが私に気がついて手を振ってくれていた。

「ごめんね。かなり待たせてしまったんじゃない？」

そう私が聞くと、Tちゃんは言ったわ。

「いいの、私さっきまで皆とお茶していたんだけど、

嵐のこと考えたら・・・」

急に顔だけ妙に熱くなって・・・

気分が悪くなって、１人だけ先にお店を出たの。

あら？　Tちゃん、私とまったく同じ症状。

好きな人のことを考えて胸が苦しくなるんじゃなくて、

顔だけ火照って気分が悪くなるというのは、

我々４０代の特徴なのだろうか・・・？　

さて、Tちゃんのお友達・Hちゃんが譲ってくれた席というのが、

なんとアリーナＢブロックだというじゃないの！！

さらに顔だけ異常に熱くなるのを感じながら中へ。

座席表で確認した途端、とても良い席で、

思わずＴちゃんとすごい声で絶叫してしまったわ！

その声でその場にいた係り員のお兄さん、

相当驚かせてしまったみたい。腰砕けていた・・・。

反省したわ。

４０代、喜びの加減、コントロールもはや不能！！　

そうして、アリーナを進んで行くと、

Ｔちゃんのお友達のHちゃんが気づいて手招いてくれた。

その席は、Ｂブロックの最前列で、ステージからも近いし、

花道からも近いし、とても見やすい席だった。

Tちゃんと思わずHちゃんに抱きついて、

その場でクルクル回ってしまったわ。

って・・・私、Hちゃんとは初対面だったんだわ。

改めて、Hちゃんにご挨拶をする。

「あの・・・これお礼と言っては何だけど・・・」

そう言って、私はバッグからあるものを取り出して、

Hちゃんに差し出した。

あぁ、よかった～。やっぱりまだ使っていない？　

嵐のコンサート会場で、YUZUSCOを配る私って？

そうなの、この頃、名刺代わりにYUZUSCOを

配っている気がする・・・。

一息ついて、私がコートを脱ごうとコートに手をかけると・・・

Tちゃんがバッグをゴソゴソし始めて・・・

バッグの中から、大きなエコバッグを取り出して・・・

私のコートと自分のコートをその中にしまうと、

ホント、Tちゃんは外見は若々しく

うちの長女なんかいつも

「とてもママの同級生には見えない！

Tちゃんはホント若く見える！」

と言うくらいなんだけど、

でも、その気配りは『お母さん』そのもの。

ホント、思わず「お母さん～」と呼びたくなるような人なのだ。