ガードルが必需品だったあの頃
外出する時、たまにストッキングを履くなんて時がある。
若い頃は、出掛けるといったら、
必ずストッキングを履いていたけど、
この頃、めっきりストッキングなんて履かなくなったなぁ・・・
と思ったりして・・・。
でもって、ストッキングを履いたら、
昔は必ずその上にガードルも履いていたなぁ・・・と。
この頃じゃ、締め付けられるのが苦痛で、
すっかり野放し状態の私のお腹だけど、
若い時は、苦しくてもペッタンコなお腹目指して、
ガードルは必需品だったけど・・・。
若い人ってどうなんだろう?
気になって、今の若い人に聞いてみた。
そう私が聞くと、アメーバブックス新社のアイドル小林(27)は
キッパリとこう言った。
「私の周りの友達もガードル履いている子っていませんよ」
えっ? 持ってもいないって?
今じゃガードルなんて履かなくなってしまった私だけど
タンスに中はまるで『ガードルミュージアム』というくらい
愛用していた多種多様なガードルが
カムバックの時を狙って、待機しているというのに。(捨てろって?)
今のファッションって、そうか・・・
あんまりボディラインが強調されないからなのかしら?
なんたって、私はバブル世代。
あの頃のファッションったら・・・
そう、ピタピタのニットなんて着るためには、
ガードルは必需品だったわよ!
私なんかガードル買うとき、
つい欲張って小さめのサイズを選んで、
できるだけ痩せてみせようと欲張っていたから・・・
時として、こんな悲劇に襲われていたわ。
授業中・・・
ガードルを愛用していた人ならわかってもらえると思うけど、
長時間座っていると・・・太ももの付け根の部分が食い込んじゃって、
痛くて痛くてたまらなくなるの。
この痛さ、我慢していると、そのうちジンジンしてきて、
頭痛を伴ってくるのよね。
で、どうするかというと・・・
人の目を盗んで、机の下で怪しげな行動をするハメに。
キツ目のショート丈のガードルは、
太ももの付け根部分を圧迫させるのよ。
だったら、履かなきゃいいだろ! と思うかもしれないけど、
若さっていうやつ?
流行のボディコン着た~いい!
スタイルよく見せた~いい!
そんな乙女心から、つい痛いのわかって履いちゃうの。
だから、あれはそう・・・
ちょっと気になる男の子に映画に誘われた時、
私は考えたわ。
映画=長時間座った姿勢。
キツ目のショート丈のガードルなんて履いて行ったら最後、
きっと太ももの付け根がジンジンしちゃって、
それこそ映画どころじゃなくなるわ。
だから・・・
私は、ロング丈ガードルで臨むことに。これなら安心じゃない?
座る時、スカートの裾からガードルが顔を出さないか
注意が必要だけど、
でも、あの頭痛を伴う痛みに比べたらなんてことはないわ。
さぁ、上映前のあのお決まりのCMも流れ・・・
いよいよ待ちに待った映画が始まったその時だったわ。
ちょっとお尻の位置をずらしたその瞬間、
なんとも予期せぬ事態!
ロング丈のガードルがロール状になって、
私の太もも付け根に押し寄せてきたじゃないの!
映画は始まったばかりだというのに・・・
ロール状になったそれは、
ショート丈の食い込みの痛さの比ではなかった。
隣の男の子に気づかれないように、
暗がりの中、必死にゴソゴソ正位置に戻そうとするにも
丸まってカチカチになったそれは、そう簡単には戻らない・・・。
どんどんそちらの足だけ冷たくなっていくような・・・。
せっかく話題の映画を観に来たというのに・・・。
ここで問題です! 私は何の映画を観にきたでしょう?
難易度★★★★★(この似顔絵はまったく参考になりません)
大好きなトムの顔も(えっ? この絵、トム・クルーズだったの?)
堪能できず・・・
104分間、太ももの付け根の痛みに悶え・・・
劇中流れたDon`t Worry,Be Happyの歌を
必死に何度も何度も頭の中で繰り返し歌ってみたものの、
♪そう心配することないぜ~幸せにいこーや~
ダメだわ、効かない! 痛みはまったく遠ざからず!
とにかく早く終わってくれ! と、ただそれだけ願っていたっけ・・・。
そんな辛いことも経験し、社会人になったわけだけど、
やっぱり私はガードルを手放せなかった。
それどころか通販でより強力なガードルを買い漁っていたほどよ。
そして、制服のスカートがきついと感じたら・・・
そんな時は、もちろん!
涼しい笑顔の下には・・・
だけどね・・・このコルセットタイプの欠点はね・・・
コルセットで固められたパッと見、
細いウエストでニコやかにサービスしていても・・・
お客様がふいに落としてしまった
紙ナプキンが足元になんてことが起こり・・・
手を伸ばそうとするお客様に笑顔で・・・
と言って、拾おうと思っても・・・
ハイウエストな強力コルセット(金具入り)が障害となって・・・
簡単には拾えず・・・妙にぎこちないスタイルで
でも笑顔は忘れずに、拾って差し上げるしかなかったり・・・。
きっとお客様は思ったわ。
なんて腰の低い乗務員だろうって・・・。
しかし、こんな努力も機内で食事を済ませたら・・・
苦しくて苦しくて・・・生命の危機すら感じる事態に襲われ・・・
トイレに駆け込み、ひっそりと脱ぐ。
でも、こーゆー時に限って、いつもはノーチェックで
通してもらえる税関で、乗務員のスポット検査とか
受ける羽目になったりして・・・
私は、何も疑わしいものなんて持っていないのに、
冷や汗流しながら、順番を待つ・・・。
だって・・・フライトバックにむき出しに入れられたブツ・・・
見られたくないんだもの・・・。
いつも命がけで履いていたガードルだけど、
私はいつからガードルを履かなくなったんだろう?
最後にガードルを履いたのは・・・
たぶん、この時 が最後だったと思う。
ガードルって、私が履かなくなっただけなんだろうか?
それとも、今履いている人って少ないのかしら?
ちなみに、私の周りの元ガードル愛用者も、もう履いていないって言ってたけど、
時代なのか、それとも楽な方に流されて・・・?
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