今年に入って何度も同じ夢を見た。

私は街角に立っている。

そこは、子供頃住んでいた台北の街。


あたし・主婦の頭の中


ただ街角に立っているだけのなんでもない夢。

でも、夢から覚めるといつも決まってこう思った。


あたし・主婦の頭の中


台湾に住んでいたのは、小5から中3までの5年間・・・。

私の人生の中で、5年間なんてとても短い間ではあるんだけど、

多感な時期を過ごした台湾は、

私にすごい影響を与えた大切な場所である。


「台湾に行きたい!!」


ある日、私は姉・かおに話をした。


あたし・主婦の頭の中


それを聞いた姉も


あたし・主婦の頭の中


私はどのくらい行ってないだろう。

結婚した次の年に夫と行って以来だから、

そうか、もう15年近く行っていない・・・。


「やっぱり、今、台湾に行きたいな・・・」


その後も夢を見続けた。

そうして、その度に、

台湾に行きたいという気持ちはどんどん膨らんで行った。


あたし・主婦の頭の中


観光地を巡るのではなくて、

ただ子供の頃に歩いた街角を見て回りたい。

あの頃と同じように、いつも一緒に歩いた姉と

行ったらどんなに楽しいだろう。


ある日、思い立って姉に言ってみた。


あたし・主婦の頭の中


すると姉は


あたし・主婦の頭の中


そうなのだ。私が台湾に行きたいと言っても、

夫は今、仕事が忙しいみたいだし、

子供たちは・・・台湾に行ってどうかな?

ずっとそれを考えていた。


あたし・主婦の頭の中


グアムやハワイと違って、台湾ってどうなの?

「子供と行く台湾!」みたいなツアーがないというか・・・。


しかし、それを横で聞いていた小5年生の娘が手を挙げた。


あたし・主婦の頭の中


えっ? ぺーちゃんも行きたい?

子供が行って楽しい場所ではないかもしれいよ。

どちらかと言うと、散歩しに行くって感じだけどいい?


あたし・主婦の頭の中


わかったわ! じゃ、一緒に行こう!  

問題は・・・すぐ抱っことねだるこの人だよね・・・


あたし・主婦の頭の中


すると、母が、

「竜ちゃんは台湾に行ってもそんな面白くないわよ。

いいわよ!」


あたし・主婦の頭の中

ほ、ほんと?

姉と長女と私だけなら、思う存分、

あの夢の光景を歩いて見て回れる?!

あたし・主婦の頭の中


すると、それまでおせんべいをバリバリと食べていた

次女の動作が止まった。そして、言った。


あたし・主婦の頭の中


そう宣言すると、

またバリバリとおせんべい食べ始めたのだった。


あたし・主婦の頭の中


「竜ちゃん、ちゃんと歩ける?」

そう私が聞くと、次女はきっぱりと言った。


「竜は、ちゃんと歩くやから!!」


それからだ。

『台湾』が魔法の言葉になっていった。

買い物の帰り・・・


あたし・主婦の頭の中


いつものように抱っこをねだる次女に、私は言う。


あたし・主婦の頭の中


『台湾』その言葉を聞くと、次女は必死に歩き出す。


あたし・主婦の頭の中

食事中に立ち上がろうとしようものなら、

あたし・主婦の頭の中


私は言う。


あたし・主婦の頭の中


『台湾』その言葉で、次女は食事に集中する。


あたし・主婦の頭の中


そして、昨晩のこと。

大きなスーツケースを前に次女は言った。


あたし・主婦の頭の中


そんな次女に私は言った。


あたし・主婦の頭の中


そう言うと、次女は大喜びで寝に行った。


あたし・主婦の頭の中


『台湾』・・・次女はどんなところを描いているのだろう?
遊園地か動物園のようなものだと思っているのだろうか?



そういえば・・・私が小学生になったばかりの頃だっただろうか?

父が突然、こんなことを言い出したことがあった。


あたし・主婦の頭の中


高知は、父が子供の頃、

短い間ではあるが、疎開した場所だそうで、

急に懐かしくなって、行ってみたくなったのだと言った。


一応家族旅行ではあったが、

とてもローカルな現地ガイド・父について私たちは周り・・・


あたし・主婦の頭の中

時折、懐かしさの余り、立ち止まっては物思いにふける父を眺め・・・

そうして、ある小学校の前に着いたときだった。


父は校舎を眺め・・・


あたし・主婦の頭の中


「あの頃の面影はまったくなくなってしまったよ・・・

パパの頭の中に今でもあるあの学校とは

全然違うものになってしまったよ・・・」


父は寂しそうにそう言った。


ところが、翌日、東京に帰る日の朝のこと。

父が私たちに向かってこう言ったのだ。


あたし・主婦の頭の中

えっ? また?

昨日散々見て、面影も残っていないと

涙さえ浮かべていた父なのに・・・


すると、父が恥ずかしそうにこう言ったのだ。


「あれからよくよく考えたら・・・パパが通った小学校は・・・」


あたし・主婦の頭の中


えぇ!!!


あたし・主婦の頭の中


どーりで面影もないはずだよ!


あの父のように、私も望郷の念にかられ、

今日から4日間、姉と娘たちと台湾に行って来ることになった。

観光とは言えないとてもローカルな散歩に。


子供たちは楽しんでくれるだろうか?

でも、父と回った高知は、

子供の私にとって、取り立てて何があったというわけではないが、

それでも私の中で、今でも大切な思い出となっている。


次女も長女もきっと何かではなく、

私と一緒に同じ空間を旅したかっただけなのかもしれない。

置いて行こうなんて思って、ごめんね。


あたし・主婦の頭の中


でもさ、竜ちゃん、あなたの一番興味のある食事、

食べ物が美味しいことだけは確かだから!



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前回の記事にもたくさんのコメントをどうもありがとうございました。台湾に発つ前に胃カメラの記事を書きたかったのですが、慌しくて書けず・・・帰ってきてから書きますね。次女はせっせと歩いてくれるのでしょうか?いささか不安ではありますが、念のため、簡易ベビーカーを持って、行って来ます。不在中は、また最近良かったもの紹介の簡単な記事を予約更新していきますので、良かったら覗きにいらしてください。では、望郷の旅に行って来ます~。