青春の思い出の映画ってなに?
週末、これ食べました。
マックのニューヨークバーガー。
横で一緒にニューヨークバーガーを
食べている夫に話し始めたわ。
ねぇ聞いて・・・私ね、
フットルースの曲が流れるこのCMをテレビで見るたび、
いつも思い出で胸がいっぱいになるの・・・
映画『フットルース』。私には特に思い入れのある映画なのよ。
あれは、高校2年生、17歳の時よ。
ほら、小林麻美や石原真理子のような・・・
ちょっと陰のある気だるい女性がブームだったじゃない?
クルクルドライヤーを手に、ブロー命で
聖子ちゃんヘアーを貫き通していた私だったけど・・・
世間のそういった『いい女』ブームに影響されてね、
何を血迷ったのか長髪の不健康そうな気だるい女を
目指そうと思ったのよ。
あぁ、勘違い? そう・・・かなりの勘違いよ。
当時の体重・・・私の人生で最高の重さ。
妊婦の時だってその記録は破れなかったほど!
こんな不健康とは程遠いポジションにいることも考えずにね・・・
若さゆえ、走り出してしまったのよ・・・。
そんないい女を目指してしまった私は・・・
大好きだったたのきんのヨッちゃんに別れを告げたわ。
そうよ、大人の男っていったら・・・わかる?
当時、いい男が出ているドラマといったら・・・
♪ジャ~ジャ~ン ジャ~ジャ~ン~
ジャジャジャジャジャ~~
そう、当時ハマりまくっていた西部警察、
その中に出てくる大人のいい男に私は夢中になったのよ~
いやだ! 私が夢中になったのは、大門じゃないわよ!
もっと色気のある大人のいい男がいたじゃない!!
えっ? だったら・・・?
やめてよ! いくらなんでも、裕次郎は大人過ぎでしょ!
私は17歳だったんだからね!!
もう、わかるでしょ?
そう・・・やっとわかったわね、あの人よ! 舘ひろしね!
舘ひろしを間近で見たというクラスメイトがいたのよ。
彼女の話だとね、
「すれ違った時、香水の匂いがふぁ~とした!!
大人の男の匂いだった!! 気絶するかと思った!!」
だって!!
その話を聞いて、私、ますますひろしに、のめり込んでいったわ。
そんないい女を目指していた私、
あれは、夏休みのある暇を持て余した日のことだったわ。
退屈だし、いつものようにM子かY子でも誘って遊ぼうかな~と
思ったんだけど、その時、ふっとこんな考えが頭をよぎったのよ!
いい女は群れちゃいけないんじゃないか?って・・・。
友達とワイワイ遊ぶのは、子供っぽいわ。
いい女は1人で行動するものだわ! って・・・。
それで、私、1人で出掛けることにしたの。
一所懸命いい女ぶって歩いていたけど、
でも、内心、過剰に周りを意識しちゃって・・・
すごく疲れたわ~
なんで若いときって、あんなに自意識過剰だったんだろう?
すれ違う人全員が自分を見ている感じに思えちゃうのよね。
話しているカップルと目が合っただけで、
自分の悪口を言われているんじゃないかと疑うほど、
常に周りが気になるのよね?そんなんだから、疲れちゃって・・・。
街に着いたって、1人じゃ特にすることもなかったわ。
なーんて、わざとらしくそう言って、喫茶店に入ったの。
恐らくファーストフードでもないこの手の店に
一人で入ったのはこの時が初めてだったと思うわ。
妙にドキドキしたのを覚えているから・・・。
席に着いて、メニューを見て・・・
思い切り気だるそうに、店員さんに言ったわ。
ヤングの皆さんへ *アイミティー=アイスミルクティー
えっ? アイミティー、久々に聞いたって?
だって、あの時代ったら、アイミティーでしょ?
そう、そのアイミティーを飲みながらも・・・
私は自意識過剰が止まらなかったのよ。
そうして、寛ぐつもりがどっと疲れて店を出たわ・・・。
でも・・・これからどうすればいいっていうの?
1人での過ごし方に慣れていないセブンティーン・・・。
ただ髪の毛を激しく振り回すことしかすることしか
思いつかない私は・・・傍から見たら・・・鏡獅子?
と、その時、私の目に飛び込んできたのよ!
映画館の看板がね。
そこには話題映画『フットルース』。
そ、そうだわ!
1人で映画館で映画を観るなんて!
それこそ、まさにいい女に相応しくない?
そう思った私は、早速窓口にチケットを買いに行ったわ。
思い切りかっこつけて・・・
お小遣いが心配になり、
急いで学生証を掲示する自分が切なかったわ・・・。
でも、人生初の1人映画鑑賞、
私のいい女意識をこれでもかというくらい満足させたの。
やがて、幕が上がり・・・
あのフットルースの曲と共に映画は始まったわ。
これから始まるストーリーにドキドキしたけど、
それ以上に『1人で映画を見ている私』にドッキドッキよ!
映画はすごく楽しかったの。
主役のケビン・ベーコンもカッコよかったし、
流れる曲も思わず踊りだしたくなるような曲ばかり!!
でもね、映画館を出る時、私はすごくやるせなかったの。
この興奮を今、一緒に語り合える仲間が傍にいないって・・・
何だか切なかったのよね~。
ダメじゃん、私。いい女になれないじゃんって敗北感に包まれてね。
だから、フットルースのあの曲を聴くと、
あの思い切り背伸びした17歳の自分の姿と
あの切ない気持ちを思い出して・・・
私の中であの映画って、青春の思い出の映画なのよね・・・。
でも、考えてみれば、あれから25年も経つんだけど、
あの日以来、1人で映画を観に行った経験ってないのよ。
そう夫に聞くと、
「えっ・・・俺?そう言えば、俺はないかもしれないな~」
やっぱり1人で映画って余り観に行かないものなんだ・・・
そう思った時だったわ。
夫が思い出したようにこう言ったのよ。
「妙にドキドキしたのを覚えているよ~」って。
えっ? あなたにもあるんだ?
そう尋ねた途端・・・
夫は明らかに動揺し始め・・・
思い出せないなんていうじゃないの!
怪しいわ!
初めて観た映画を思い出せない?
その時、夫は囁くようにこう言ったわ。
「・・・・日・・・・活・・・」
えっ? 日活?
勘の良い人なら、もうおわかりね。
うん、私もかなり勘は良いほうなのよ。
すべてを悟った私がそう言うと・・・
やっぱり?
まぁ、友達と連れ立って観に行く映画ではないものね~。
そうね、誰にでも青春時代の思い出の映画ってあるものよね。
皆さんは特別な思い出のある映画ってなにかしら?
それと、すごい映画好きの人じゃなければ、
1人で映画を観に行くって余りないことなのかしら?
皆さんは、1人で映画館に行ったことってありますか?
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