女三人 加計呂麻島への旅(4)島の時間
女三人 加計呂麻島への旅 プロローグ 、
加計呂麻島で迎えた最初の朝・・・。
なんだ香ばしい良い匂いで目覚めた。
エミイさんとのんはまだ隣で寝息を立てていた。
こういう時、「やった! 一番!」と妙に嬉しくなるのは私だけ?

私は1人寝床を出て、リビングへ。
「おはよう!」
台所で朝食の準備をしていたゆき姐が声をかけてくれる。
ゆき姐に「おはようございます!」の挨拶をしたら、
すぐに顔を洗いに行ったわ。
さーてとぉ!! ボーッとしてはいられないわ。
私には毎日、
起きたらすぐにしなきゃいけないことがあるんだから!
しばらくして、のんが起きてきた。
そして、私を見るなり・・・

あら? 何を驚いているのよ? のん。

完成された顔で、のんに朝の挨拶をする私。

えぇ、そうよ! 朝起きたら、すぐに化粧!
それ、決まりよ!

そう答える私にのんったら・・・
「カータン、すごいです! 私も見習います!」ですって?
ちょっとーーー!! あなたには必要ないでしょ!

あなたみたいにスッピンで勝負できたら、
私だって、こんな眠気眼で化粧なんかしないわよ!
やがてエミィさんも起きてきて、皆揃って朝食。
布団の中から嗅いだ香ばしい匂いは、
このアジの干物だったのね。軽く油で揚げてある。
5人前分の豆腐が入っていると思われるお味噌汁↑
ゆき姐自慢の卵。山盛りご飯。パパイヤの漬物。
私は普段、ほとんど朝食は食べない。
だから、最初は「こんなに食べられるかしら?」と思ったのだけど、
あら? 心配することなかったわ。ペロリと完食!!
朝食を食べ終わると、のんたちはお化粧を始めた。
それにしても、のんは可愛い。
化粧しなくても十分可愛いのに、でも、やっぱり化粧をする。

そして、私にこんなことを聞く。
「カータン、なんか今日、私・・・化粧厚くないですか?」
「全然、厚くないよ~」
と答えた私。でも、またすぐに
「えーなんだか、この試供品のファンデーション、
厚塗りに見えませんか?」
「見えないって!むしろ薄づきだよ!」
そう答えるも、またしつこく聞いてきた。

いい加減にしてよ! のん!
大体、、聞く相手を間違ってるのよ!
そんなこと!!

あのね! 20代のあなたの化粧なんて、
私にとっては水彩画みたいなものなの!
わかる? ササーーっと塗って、終わりでしょ?

私にようなアラフォーはね・・・
水彩画のササーっでは済まされないの!
油絵の域よ! わかる?
重ねて重ねて、ごまかすの!

そんな私に、「厚塗りじゃないですか?」って聞く?
何度でも言うわ! 「それは薄化粧よ!」。
朝食を食べると、
宿のお父さんの案内で秋葉神社に行って・・・
*この日の話、2人のブログに詳しく書いてあります。参考に。
そうして、秋葉神社の帰り道、
大きなガジュマルの木の下で写真撮影。

その時!! 私は見つけたの!

リリーの名を!!

そう、加計呂麻島は『男はつらいよ』の最終作、
渥美清さんの遺作となった「寅次郎紅の花」のロケ地だったの。
それにしても、なぜ私がリリーの名を見つけて、
そんなに興奮していたかと言うと・・・
私には浅丘ルリ子演じる「リリー」に特別な思いがあったからなの。
あれは、中学1年生の時だったわ。
当時、台湾に住んでいた私、
夏休みで日本に一時帰国している時だった。
父方の祖母が珍しくこう声を掛けてくれたのだ。

祖母は物静かなおばあさんという感じで、
積極的に映画に連れて行ってくれるようなタイプでは
決してなかった。
だから、そんな祖母の誘いに、驚いたものの、
姉とワクワクしてついて行ったの。
ところが、祖母が指差す映画の看板を見て・・・

絶句!!

そう、祖母は大の寅さんファンだった・・・。
でも・・・中1と高1の女の子に『男はつらいよ』ってどう?

そう思って、観始めた寅さん映画だったけど・・・
案外、中1にも面白かったりして・・・。
そして、今でも覚えているわ。
祖母が暗がりの中、とても嬉しそうに、
涙を流して大笑いしていた姿・・・。

そうして、観終わった祖母はキッパリと言ったわ。
「やっぱり、マドンナはリリーさんが一番好きよ!」
祖母と映画を一緒に観に行ったのも、
それが最初で最後。
私が『男はつらいよ』を映画館で観たのも、
それが最初で最後だった。
だから、寅さんというと、私の中では『リリーさん』なのね・・・。

なんか勝手に運命感じ、涙ぐむ私・・・。
帰ったら、『寅次郎紅の花を観よう!』そう心に誓う。
午後は、エミィさんは体調不良で宿で休むこと。
なので、のんと私はお父さんが同じ集落の人と作った
かぼちゃ畑の収穫を手伝うことになった。
最初は笑顔で手伝っていた私たちだけど・・・
ホントすごくハードな労働に、段々無口に。
↑1つ4キロもあるかぼちゃの山を必死で運ぶのん
でも、収穫されたたくさんのかぼちゃを目の前にすると、
すごい充実感に包まれたわ~

その時、のんと私は同時に叫んだ。
「あ、あれ、何?!」
かぼちゃ畑の横の藪に
なんともワイルドなものを発見し、大興奮よ!
私たちが見たのは・・・!!
黒い茂みから、だら~んと垂れ下がる赤い玉・・・。

島バナナの花なんだって!
画像で見ると、大したこと無いけど、
実物は、なんとも艶かしく・・・ごめん。それ以上は言えないわ!!
そして、初めて見た!バナナの種っていうものを!
このバナナは食用のバナナじゃないんだって。

でも、のんと試しに食べてみることに。
味はしっかりバナナなんだけど、ほとんど種で、
種を口から出す方が忙しいく、やっぱり食べるのには不向き。
かぼちゃの収穫が終わって、宿に帰ると、
エミィさんが完全復活していたので、3人で加計呂麻島をドライブ。
海岸で貝を拾ったり・・・青春したり・・・。
そして、ゆっくりと夜がやってきて・・・。
今日、かぼちゃ畑で一緒に収穫をした
集落の方たちも一緒に食卓を囲んだ。
すると、お父さんがこう言ったの。

お父さんのその言葉に、集落の人たちは口々に・・・

全然乗る気じゃない。でも、半ば強引に

そうお父さんに促され、
○ちゃんと言われる男性はエミィさんの前に座ったの。
エミィさんは、フルネームを聞くと、
いつものようにタロットをさばき・・・
そして、テキパキと言った。

そのエミィさんの言葉に、集落の人全員が
耳ダンボで「マジ?」「ホントに?」と言った感じに固まり出した。

そして、○ちゃんの鑑定が終わるや否や・・・
今まで占いは・・・と言っていた人たちが次々と・・・

よっぽど○ちゃんの鑑定が当たっていたのか?
順番にエミィさんにみてもらっていた。
そして、自分の順番が終わっても、
「あっ、これ聞くの忘れた!」と言って、また列に並び・・・
気がつけば、『行列の出来るエミィ鑑定所』となっていた。
集落の人たちが、「恐ろしいくらい当たっていた・・・」と
驚きながら、帰っていった後、
やっとゆき姐を囲んでのレディーストークが始まった。
ゆき姐が若い頃、
大阪に住んでいた時の話をしている時だったわ。
ゆき姐が言ったの。

「ぼろルック!!」
三人が同時にその言葉に反応した。

でも、エミィさんと私は・・・

それに対し・・・のんはすっかり蚊帳の外・・・。

のん! ぼろルックも知らないの?
ぼろルックがわからないなんて!
ホント、ひよっ子ね~。お姉さんが教えてあげるわ。

得意げに説明するアラフォー3人。
でも、何十年ぶりに聞いた「ぼろルック」という言葉、
胸が熱くなったわ~!!
『ぼろルック』そのひと言で、30分は盛り上がっていたほど。
その後も、世代を越えたレディーストークはまだまだ続いた。
島の時間は本当にゆっくりと流れていく・・・。
東京では24時間あっても足りないと思う毎日なのに、
ここ加計呂麻島では、
1日が36時間くらいあるんじゃないかって思うくらいに。
いろいろなことがあった1日だったけど、
慌しさとは無縁な島の時間は、
その後もゆっくりゆっくりと流れていくのだった・・・。
つづく
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テーマは「バレンタインデー」。
私が初めて男の子にチョコを贈った切ない思い出、読んでください。
デコチョコ作りにもチャレンジ?
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前回の記事にもコメントをどうもありがとうございます。加計呂麻島記事、あと3回(たぶん3回)で終わります。どうか飽きずにお付き合いください。エミィさんとのんのブログには、加計呂麻島についての神秘的なことがすごく詳しく書かれています。そちらも是非読んでみてください。では、今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。



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