9月5日(土)のことです。

子供たちを姉に預かってもらって、

お友達・Bちゃん夫婦と一緒に芝居に出掛けました。



あたし・主婦の頭の中


Bちゃんの旦那さんは、学生時代、ラグビーをやっていたそうで、

長身のとてもガッチリした男性です。


見に行ったお芝居はこれ↓

『流れる雲よ~DJから特攻隊に愛を込めて~』


あたし・主婦の頭の中


ふっくん の息子さん・布川隼汰君 、初主演舞台です。


(あらすじ)

64年前の太平洋戦争の特攻基地で、

突然ラジオから2009年の未来からの不思議な放送が聞こえてくる。

そこで、1945年夏に日本が負けることを知った特攻隊員たちは動揺する。何故、自分たちは死を選ぶのか・・・?特攻命令が下さった夜、ラジオの神様は粋な計らいを見せるのだった。

                              パンフレットより


芝居の前に、まずは腹ごしらえ。

Bちゃんに何が食べたい? と聞かれた私は、

子供がいると普段なかなか食べられないメキシコ料理をリクエスト。

食事をしながら、これから始まる芝居の話に夢中の4人。


あたし・主婦の頭の中


お芝居は、あらすじを見ただけでも、じーんとする内容。

私は先にBちゃん夫婦にこう言っておいたの。


あたし・主婦の頭の中


この間もね、うちの夫がさ・・・


「ちょっと聞いてよ。甲子園、花巻東高校のエース・3年生の菊池君・・・彼さ、毎日毎日、トイレ掃除しているんだってよ。

『人の嫌がることを率先してやらなければ、エースにはなれない!』

そう言ってさ・・・甲子園のエースがだよ!

まだ高校3年生の若者がだよ!」


あたし・主婦の頭の中


私に語りながら、号泣してるのよ~


あたし・主婦の頭の中


今日はどうなるかわからないわ~

そう私が言ったら・・・あら? Bちゃん??


あたし・主婦の頭の中


Bちゃん、今の私の話聞いて、涙浮かべているじゃなの!

そうだったわ!

Bちゃんも私に似て、すぐに感動して泣くタイプだったわね。

Bちゃんの旦那さんも言ったわ。


あたし・主婦の頭の中


えっ? あら、話を合わせてくれているのね。

でも、ちょっとそれは信じられないわ。

だって、旦那さん、そのマッチョな体で涙なんて!

全然似合わないじゃないの!


食事を終え、会場である全労災ホール/スペース・ゼロに向かった。

会場には、愛息の晴れ舞台を観に、父親であるふっくんも来ていた。

一緒に写真を撮ってもらう。


あたし・主婦の頭の中
*余りにも私、変な顔だったので、桃レンジャー加工。ちなみに青レンジャーは夫。


席は前から2列目。

すぐ目の前にはステージ、開幕を今か今かと待つ4人。



あたし・主婦の頭の中


ついに幕が上がったわ!

幕が上がって3秒?早くも涙がこぼれてきちゃう私なの・・・。


あたし・主婦の頭の中


そうなのだ、いつだって、そう。

私、芝居を観に行くと、例えそれが喜劇だろうが、

幕が上がったその瞬間に涙が出るのよ。

見えるのよ、私には・・・


あたし・主婦の頭の中


今日のこの日を迎えるまで、どれだけ役者さんたちが頑張ってきたか。必死に稽古に励んできたその姿が、目に浮かんでくるのよ!


ストーリーは始まった。

やはり、特攻隊員、若い男性のいろいろな思い・・・

予想はできていたことだけど・・・

早くも、涙・・・涙・・・で・・・鼻水も次から次へと流れ出し・・・。

始まったばかりで、こんなに泣いているのって、

満席といえども、この会場には私だけだわ。

そう思い、周りの人に気づかれないように鼻水をすすっていると・・・


あたし・主婦の頭の中


隣から激しい鼻をすする音が聞こえてきたじゃない!

見ると、なに? こんな間近に!!


あたし・主婦の頭の中


いたよ! いたよ! もう泣いている観客が!

Bちゃん夫婦、鼻すすりまくりだよ!


そのうち、鼻水の量が半端じゃなくなってきて・・・

もはやすすることもできなくなってしまった私・・・。

鼻呼吸を絶たれた私は、苦しくて苦しくて・・・


あたし・主婦の頭の中


そう、こんな時は急遽口呼吸に切り替えたいところだけど・・・

問題があった。

さっき、お昼に食べたメキシコ料理。

強烈な生玉ネギ臭が、口全体に広がっている。

こんな感動的な芝居を観ている皆さんに、

この『生玉ネギスメル』を撒き散らしてしまったら申し訳ないわ!


私は、涙を拭いていたハンドタオルを口元に持ってきて、

口臭予防のバリケードを作ったわ。

このすでに涙で湿ったタオルフィルターを通してなら、

『生玉ネギスメル』も緩和される?

タオルに向かって、少しずつ息を吐き出していったの。

すると・・・


あたし・主婦の頭の中


隣から同じように息苦しいような溜息が聞こえてくるじゃない!

見ると、なに? 


あたし・主婦の頭の中
↑ティッシュで必死にバリケードを作るBちゃん夫


Bちゃん夫婦も同じことをしてしるじゃないの!

泣きすぎにより鼻呼吸を絶たれ、でも、口臭が気になる?

そうよ、私たち同じものを食べたんだもんね。


途中、15分の休憩があった。

うちの夫は、泣き虫三人組にこう言ったわ。

「この三人が泣きすぎて、ズルズル・・・ハァハァ・・・

すごいから、俺なんか泣くタイミング完全に失っちゃったよ!

どーしてくれる?」

そう言えば、そうね・・・あなた、さっきからとっても静かだったわ。


さて、再び幕が開き・・・、

ストーリーもクライマックス。


隼汰君演じる坂本光太郎が言ったこの台詞。


あたし・主婦の頭の中


詳しく書くと、ネタバレになっちゃうから言えないけど、

もうね! この台詞聞いた途端に、

私の心の中の柔らかいとこにズドーン!

完全にやられちゃったの!!

もし今、家にいたとしたら、私は声を出して泣き崩れているはず。

でも、ここは家ではないわ!


私はタオルを口にくわえ、猿ぐつわ状態にして、

必死にもれそうになる自分の声を押しつぶしてた。

ところが・・・


あたし・主婦の頭の中


どこからか、狼の遠吠えのような声が流れてきて・・・

見れば・・・


あたし・主婦の頭の中


Bちゃんの旦那さんが、大きな体を震わせて、

口を全開にして泣き叫んでいるじゃない!!


きっと旦那さんは、この時、自分がどんな体格で、

その体格ゆえ、周りからどんな風に見られているのか、

そんなこと完全に忘れたちゃった?


気がつけば、夫も泣き出し・・・、

横4人何かにとりつかれたかのように泣いていた。

恐らく、その時、我々の頭上には、

大量の涙、それから発せられる水蒸気で、

玉ネギ臭い雲が出来ていたに違いない。


あたし・主婦の頭の中


でもね・・・そのうち、会場の至るところからすすり泣く声が聞こえてきて・・・会場全体が涙の雲に包まれてたわ。

鳴り止まない拍手・・・そうして幕は下りたの。

しばらく放心状態で、席から立ち上がれなったほどよ。


やっと会場を出て、夏の日差しの下、お互いに顔を見合わせれば・・・


あたし・主婦の頭の中


まるで、あの空間は竜宮城だったの?

それで、『私たち・・・玉手箱開けちゃった?』 というくらい

泣きつかれ、やつれていた顔がそこにあったわ・・・。


それにしてもあんなに泣いたのは、ホントに久しぶりだった。

役者さんたちの演技がすごくいい! べテランの役者さんが引っ張って、若い役者さんたちも初々しく輝いていたわ。



自分の命を犠牲にして、旅立った特攻隊員の若者が私たちに問いかけるわ。

「今、日本はいい国ですか?」


そんな問いかけに、

「ごめんね、もっと、一所懸命今日を生きるわ!」

そう思った私でした・・・。

戦争が終わって、64年。まだ64年しか経っていないんですね。

たった64年前の日本に、こんな若者たちがいたのですね・・・。




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前回の記事にもたくさんのコメントをどうもありがとうございます。沖縄旅行記(3)のつもりが、あんまりにも感動的だったので、「流れる雲よ」の観劇のお話を。当日、家に帰ると、プールで1キロ泳いだ時くらいの疲労感に包まれました。泣くって、すごいエネルギーを要するのですね。日曜日は、失恋して、泣き明かし、朝を迎えた女の古の顔になってました。お芝居は、まだやっています。もし思いっきり泣きたい方は、是非!ホント、泣かされます。

では、今日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。