*ここ暫くは夏休みの休暇の記事をアップしてます。


夏休みの宿題、1つは昨日の記事にも書いたけど、

「キミはペット」のDVD制覇。


そして、もう1つの宿題。

先日のサイン会でも、

そして、アメーバブックス新社さん宛にも

読者の方から心温まるお手紙を頂きました。

どのお手紙を読んでも・・・






その温かい言葉に涙が零れ・・・

返事を書きたいと思いながら、なかなか時間が取れず・・・

なので、この旅行中、PCから離れたこの時間を使って

頂いたお手紙の返事を書こうと心に決めてました。





皆さんへのお返事を書きながら、

思い出さずにはいられない出来事があります。


あれは、まだ私が大学生の頃。

バブリーなこんな時代のお話。





私は当時、作家の椎名誠さんの大ファンだった。(あっ今もですが)

椎名さんの書くエッセイから、いつも笑いと元気をもらっていた。


そして、いつも椎名誠さんに会いたい! と願っていた。

そんな折、椎名誠さんが近くの武蔵野市民文化会館で

講演会をされるということを知ったのだ。

これはもう行くしかない!姉を誘って、いざ講演会へ!!


椎名誠さん・・・

私のイメージではチャラチャラしたものが嫌いな硬派な男性!

だから、当日、私は、いつも着ているバブリーな服を脱ぎすて・・・





とっても清楚な服装で出かけることにしたのだった。

髪型だって・・・ほら、後ろで束ねて、似非お嬢さま風。


生憎、当日、武蔵野は豪雨・・・。

でも、そんなことは関係ない。

椎名誠に会えるんだ! という私の情熱はこんな雨に負けるはずないもの!





講演が始まり、壇上に登場された椎名さん!





生・椎名誠に感激した!





実は、私は前日、何時間も掛けて、椎名誠さん手紙を書いた。

どれだけ自分は、椎名誠さんの本に元気をもらっているか・・・

それを伝えたく・・・

ちょっとパロディタッチな創作話的な感じでの手紙を書いた。

何度も書いては、破り・・・、何度も書いては、捨て・・・、

数時間掛けてやっと書き上げた。





それを手に講演会に来たんだけど・・・

講演会が終わると・・・

ステージの裾には、私が普段着ているような原色の服を着た

女性が大勢、大きな花束を持って詰めかけた。

椎名さんは、中腰になって、それを丁寧に受け取っていた。




私といえば・・・

白のTシャツとシンプルなスカート、

トサカを失った髪型だって野暮ったい・・・。


まして、私が手にしているのは、

花束でもないただの手紙・・・





モジモジ席から立たずにいる私に姉が言った。





躊躇っていると姉が、いつものセリフ。





前にもブログに書いたことがあるけど、

当時、姉と一緒に見た「ハワイアンドリーム」という映画に

出てきたセリフ。

ハワイに移住した老人に向かって、

ハワイに逃げてきた時任三郎演じるチンピラが言うのだ。

「じいさん、ハワイに来たことに後悔したことはないのか?」って。

するとじいさんが言うの。

「後悔なんちゅーもんはな、しなかったことのみに使う言葉よ」


そのセリフに感動した私たち姉妹は、何か迷っていることがあったら、

いつでもこのセリフを口に出しては、行動力に変えてきたのだ。


でも・・・この手紙を渡すことが、

後悔を残さないことになるのか・・・私にはわからなかった。

手紙を渡すことによって、発生する後悔は・・・?


そんなことを考え、迷っているうちに・・・

椎名さんは手を大きく振りながらステージを後にした・・・。





椎名さんの姿がステージが消えると、

「後悔という言葉はしなかったことのみに使う言葉」

このセリフが私の頭の中でどんどん大きくなって行った。

昨日、確かに私は椎名さんに読んでもらいたいと思って

この手紙を書いたのではなかったのか?





そんな私の気持ちを察して、姉が言った!





姉は普段、私よりずっと恥ずかしがり屋だ。

長女気質とでもいうか・・・(気は強いが)控え目である。

しかし、この時ばかりはすごい行動力を発揮した。


私たちは、会館を方々探し回った。

何か楽屋に続く道はないかと・・・。

でも、どこにも見当たらなかった・・・。

土砂降りの雨の中、外に出た。

すると、暗がりの中、ひっそりと光るドアがあったのだ・・・。





素人が想像すると、

こーゆー楽屋口のような場所にはボブ・サップのようなイカツい男が立っていて、

簡単には中に入れないようなイメージがあるが、幸いにもそこにボブはいなかった。


重い扉を開けると、廊下にドアがたくさん並んでいて・・・

そして、1つのドアが開いていて、廊下に光が漏れていた。





姉は私の背中を思いっきり押して言った。





えーー! 1人?





何度もそう頼んだのに、姉は1人で行け! と言う。

「1人で行くことに意味がある」だの偉そうな言葉を並べ・・・。

恐らく姉には、ついて行くだけの勇気はなかったんだと思う。





私は1人・・・

その光が漏れたドア陰から中を覗いてみた。





中にはさっき壇上で講演されていた椎名誠さんが、

私が大好きな椎名さんがくつろいでいた。





すると、いきなりボブ・サップが!

じゃなく、年配の女性が現れ・・・私に言った。





しまった! 追い出される。

こんなところまで一般人は入って来ちゃいけないに決まっている・・・。

どうしようと思いながらも・・・勇気を出して頼んでみた。





すると、女性は、私を追い出すどころか、





中に入れてくれたのだ・・・。

でも・・・勇気が・・・勇気が・・・

椎名誠さんにこの手紙を渡す勇気が・・・ない。

足が進まない。


そうだ!

「後悔なんていうものはしなかったことにのみに使う言葉」

私は、走った。





そして、何も言えずに手紙だけ渡すと楽屋から走り去った。





怖かったのだ。「誰だ君は?」と言われるのも、

こんな手紙だけ渡す自分も恥ずかしかった。


楽屋を出ると待っていた姉がいろんなことを聞いてきたけど・・・





私にはほとんど記憶がなかった・・・。

たぶん、いや手紙は確かに渡した。

でも・・・頭の中は真白だった。

ただこれだけは言えた。

後悔はしないで済んだということだけ。


それから数ヶ月が経った。

ある日、私が学校から帰り、郵便受けを開けると

そこに1通の手紙が。





手に取って、言葉を失った。





そこには、ファンなら誰でも知っている魚の骨のイラストが・・・。

そして、あの特徴のある文字。





椎名誠さんから手紙が来たのだ。

大阪のホテルニューオータの封筒と便箋。


カータンさん


武蔵野の雨の中、

わざわざ会いにきてくれたのですね。

逃げるように去って行ったあなたの後ろ姿が忘れられません。

だから、ありがとう・・・。

今大阪の朝です。

これから大分に向かいます。

                         椎名 誠





私はファンレターの返事なんて頂けると思っていなかった。

でも、ほんの少しの希望を託して、自分の住所を書いておいた。

でも・・・まさか本当に返事がもらえるなんて・・・。


だから、ありがとう。


私はこの言葉がとても好きだ。

だから、ありがとう。

普段、あまり使わない言い方、

椎名さん独特の言い方なのかもしれない。

でも、簡潔でいて、すごく伝わってくる言葉。


そんなことがあって・・・私は今、

頂いたお手紙を拝見し、その片隅に小さくでも住所が書いてあったら、

私はできるだけ返事を書きたいと思うのだ。



追記:

いつもPCのメッセージフォームから、本の感想、励ましの言葉や、爆笑話・・・どうもありがとうございます。PCメールも本当に本当に嬉しく、読みながら泣いちゃうこともあります。

なるべくお返事を返したいと思うんですが、時間に追われ、なかなか返信が追いつきません。でも、本当に皆さんからの温かい言葉に大きな励みをいつも頂いてます。


だから、ありがとう。



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昨日の記事にもたくさんのコメントをどうもありがとうございました。そうなんですよ! たくさんの方が薦めて下った「東京タワー」ですが、まだ松潤ファンじゃなかった頃、この映画を見て・・・私、岡田君と黒木瞳さんの絡みよりも、寺島しのぶさんと松本さんのあのシーンの方が、インパクト大というくらいに頭に残っていて・・・。

もし今あのシーンを見たら、きっと私は鼻血ブーの大出血起こして、失血死してしまうんじゃないかと怖くて見れません。心も体も穏やかな老後の楽しみにしておいた方が身のため? なんて思ってしまうんですよ・・・。

寺島さん、すごかった! でも・・・見てみたい・・・。でも・・・。

では、今日も最後まで読んで下さり、ありがとう!