豪華客船にはカジノがある。

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カジノには魔物が住んでいる。

ギラギしたライトと
独特のジャラジャラした音を
聞いていると

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体の奥で眠ってた金欲が湧き上がってくる。

だんだんと目付きが変わってくるのが
自分でもわかるわ。

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まさにマネーの虎だ!(意味違う?)

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カジノで、血の匂い いや
金の匂いに吸い寄せられるふたり。

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スロットを指差したまめこ氏
私はぴしゃりと言い放ったわ。

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って、偉そうなことを言ったけど、
別に詳しいわけではない。

ただドラマや映画を見てると
そんな気がするだけ・・・。

大きな賭け!

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早速、テーブルに向かったものの

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けしかけられても・・・

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その日はあきらめてカジノを出た。

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すると次の日の朝、
船会社のSさんからこんな話を聞いた。

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そんな話を聞いたら
ギャンブラーの血が騒ぐ!
騒ぎまくる!

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夜を待ち、再びカジノへ向かった。
(ちなみにカジノは朝からやっている)

カジノへ行く途中、
アートギャラリーの前を通る。


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高額な絵画を横目に
ギャンブラーは早くも強気だ!


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今日は迷わずスロットね!

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ところがまたしても災難が我々の前に
立ちはだかった。

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なんてことだ、今夜もまた・・・

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そして、翌日。

ドルも持ち、今度こそ
一攫千金の勝負に出ようと思ったのに
実際スロットの前に立つと

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結局、毎晩毎晩
大きな夢を胸に鼻息荒く
カジノへ出かけるものの・・・

毎晩、
何もできずにカジノを去る小市民。

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大勝負に出られない小心者の我々は
虎の仮面を被った・・・

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背を丸め、大人しく
部屋で寝てるのがお似合いなのだ。


いいや、いつの日にか必ず!!




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カジノ、あの雰囲気の中にいると、つい一攫千金の夢で頭がいっぱいになってしまう。しかし、根が小心者の我々は結局、何もできないままカジノを去る毎日。それでも、夜になると、必ずカジノに吸い込まれていた。