みなさんは、
『芸術家・岡本太郎』と聞いて
真っ先に何を思い浮かべますか?

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それとも?

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実は、
岡本太郎記念館の平野館長と
対談してみませんか?
というお話をいただいた時
私はとても戸惑った。

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今まで、
岡本太郎の作品を目にしたり、
触れたりする機会はあったものの、

『芸術家・岡本太郎』について
私はほとんど無知だったから。

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私の場合、名画に出会って

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胸が高鳴ることはあっても
実際、どこがどうすごいのか?
と問われたら、うまい表現がみつからない。


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答えられるのは、
トキめくか、好きか嫌いか。


だから、
仮に対談を引き受けたとしても
バケの皮が剥がされることに
怯えながら過ごさなければならない?

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でも、
すぐに断りたくなかったそのワケは
私は岡本太郎の作品が好きなのだ!


そこで、まず岡本太郎さんについての
本を読んでみることした。

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岡本太郎の数多い著書の中から
この本を選んだのは

私の周りの岡本太郎ファンが
(私の周りには熱狂的岡本太郎ファンがたくさんいた)


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見事に全員、この本推し!

まず本を開くと「初版の序」と
いう前書きが1ページある。
 
この本の中で、あなたはかつて耳にしたことがない、まったく思いもつかないこと、いままでの常識とは正反対のことばかりを聞かれると思います。
しかし、よく読んでいただければ、私の言ってることのほうが、はるかに自然で真実であり、理の当然であることに気がつかれるでしょう。

私はこの本を、古い日本の不明瞭な雰囲気をひっくり返し、創造的な今日の文化を打ち立てるポイントにしたいと思います。 
芸術を中心として話を進めてゆきますが、問題は、けっして芸術にとどまるものではなく、我々の生活ぜんたい、その根本にあるのです。だから、むしろ芸術などに無関心な人こそ、ますます読んでいただきたい。

私はここで、あなたと直接に、膝をまじえて語りあうような、らくな異聞で話をすすめてゆきます。もし読んだあとで、納得できないふしがあったり、反対の意見があれば、どんどん、ぶっつけてきてください。そして明朗に、積極的に、おたがいの力でこれからの文化をもりたててゆきましょう。
一九五四年八月 岡本太郎

この文章を読んだら、
芸術とはなんぞや!と構えていた
肩の力がふっと抜けた。

まるで目の前に太郎さんが現れて、
コーヒーでも飲みながら、
面白い話をしてくれるような


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そんなワクワクした気持ちになっていった。

そして、そのワクワクは、
本を読み進めても変わらなかった。

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とにかく太郎さんがわかりやすく
面白く語りかけてくれている。

『モダンアートは、わけのわからぬしろものだ、あんなのは絵じゃない」などと仔細らしい顔をする手あいにかぎって、「静物」や「風景」や「裸婦」なら、安心してみているようです。ところで、よく観察してみれば、ここにもまた奇妙なことが、なんの疑いも持たれずに通用しているのです。

たとえば、「静物」といえば、かならず机の上にリンゴか何かがころがしてある、いかにもむぞうさに。すなおに並べたのではダメで、セザンヌがやったようなころがしかたをしないと、ありがたみがないらしい。また俗にいう”油絵のような”「風景」だったり、すっ裸の女が、はでな布地をはりめぐらした古風な寝台や椅子の上にゴロゴロしていたり、まるでこういうものでないと油絵にはならないと思いこんでいるようなありさまです。

まったくバカバカしい話です。いったい、あなたの机の上には、いつでもあんなにわざとらしくクダモノが、いくつもいくつもころがしてあるでしょうか。また、お宅ではお母さんやお姉さんが、恥ずかしがらずに、すっ裸でごろごろしていますか。

終始こんな語り口なのだ。

気がつけば
芸術とはこうあるべきだという考えは、
どこかに消えいった。

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今日の芸術は、
うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。


うまい、きれい、ここちよいと
いうことよりも
見るものを激しく惹きつけ
圧倒させるものこそ
芸術である
そう太郎さんは言っている。


その言葉は、私には

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そう言ってくれているようにも思え
読み終わった時にはなぜか
涙が止まらなくなってしまったほど。

なぜなんだろう?

太郎さんによしよしと
優しく頭を撫でてもらった
そんな気持ちになったというか・・・。


そして、思った。

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対談を引き受けて、
岡本太郎記念館に向かった私だが、
そこは
鳥肌が立つくらいの
すごいエネルギーで満ち溢れていましたよ!



これから、10回に渡って
掲載される平野館長との対談ですが、
よかったら
ぜひ読んでください。

そして、『今日の芸術』も
読んでいただきたい!
岡本太郎さんに惚れる1冊!



後半の「子供と絵」の章は、
子育てのヒントになるような
アドバイスもたくさん載ってて
もっと早く出会いたかった!



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岡本太郎記念館に入って、泣きそう!と言ってたけど、もし1人だったら絶対に泣いていたと思う。すごいエネルギーと優しさに包まれている空間なんですよ。絶対ここには、良い気が流れてると感じたもの。対談は10回なのだけど、後半は子供の絵について話してて、話しながら何度もウルウルしてしまった。そして、今、岡本太郎ファンと一緒に熱く語らう私。来年の3月、太陽の塔の内部の修復工事が終わり、一般公開されるそうで、今からワクワクしている。