友人の歌ちゃんの新刊
『花まみれの淑女たち』読みましたよ。

 まず読む前に、この表装の美しさ。

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本当にキレイで、見てるだけで、
ふわふわと乙女心を掻立ててくれるというか・・・

でも内容は、
そんなキラキラファンシーな世界とは
まるっきり対極にある、
ハラハラドキドキの展開なのだ。

ネタバレにならない程度に、
帯に書かれた内容を書くと

30代にして職を失い、無為な日々をすごす由佳が出会ったのは、北新宿【花まみれビル】に暮らすお年寄りたち。見た目は、ほのぼのとしたシニアグループ、その実態は・・・七色の声を持つカリスマ歌手や、日本中にネットワークを張り巡らす植物学の元教授、ハイテク機器を駆使して暗躍する探偵チーム(メンバーはおばあさんのみ!)など、型破りなマダムたちだったー。

酸いも甘いも知り尽くした
人生経験豊富な婆さんマダムたちは
読んでるこっちがハラハラするほど、
命知らずの最強探偵チーム!

きっと若い頃は、
彼女たちも臆病だったり、
それなりに悩んだりしてきたのだろうけど、

今となったら、もう怖いものなし?

とにかく強くて逞しい!
その勇気と行動力と無鉄砲さに
どんどん引き込まれていくんですよ。

30代の由佳はそんなマダムたちに囲まれながら
次第に思うようになるのね。

わたしも、あのおばあさんたちみたいになりたい。
目立たず、しぶとく、幸せで、美しい。
誰からも注目されなくても毎年、
花をつける草木のように・・・

30代でこんなステキなマダムたちに
出会った由佳は幸せだと思った。
輝いてる先輩ほど、
人生に希望を与えてくれるものはないもの。

アラフィフの私でさえ、
あんなマダムに出会いたい、
私もあぁなりたいわと思ったわ!

それから、歌ちゃんの情景描写も素晴らしい。
四章からなるこの物語、

春、夏、秋、冬と
遊歩道にある桜の木と共に移りゆく。


読んでいる私も、
遊歩道に咲く桜の花を
実際に眺めている気分になったほど。

本文中、
たくさん心に刺さる言葉はあったけど
私はこの文章がすごく好きだった。

遊歩道の桜に、黄色い葉がまざっていた。
降りそそぐ日に照らされて、見上げるとステンドグラスのようだ。
花咲く春の桜より美しい。
なんだか、色づいた葉が愛おしい。もう若葉ではないけれど、どれも、何度もやってきた台風にも飛ばされなかった葉たちだ。夏まではどの葉も同じ色だったのに、歳月を重ね、いまは一枚一枚色が違う。それぞれの色で生き、この遊歩道を彩っているのだ。そんなことに気づくのも、私が歳をとってきた証拠だろうか。

ストーリー展開もさることながら、
歳をとるのが楽しみになる
そんな勇気を与えてくれる人生の指南書でもあったわ。

ぜひ、読んでみて!

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目をみはるマダムたちの活躍劇、でも、主人公・由佳の恋愛も描かれていて、私なんかそっちの展開も気になって胸がドキドキキュン。マダムたちの言う「人生を輝かせるのは、ほんの少しの勇気」ほんの少しの勇気が由佳に与えた世界、それがまたステキだった。