【高齢な叔母の問題】④からの続き

夫が病室を出て行き、
叔母と私がふたりきり。

1

その時、頭に浮かんだのは、
さっき叔母の部屋で見た荷物だった。

2

ホームに持っていくものを
叔母が準備していたことは、
手伝ってくれたお弟子さんから聞いていた。

叔母は「出てけ!」の幻聴に悩まされ、
一刻も早くホームに入りたいと願い
準備していたようだ。

3

だから、夫に連日電話をかけてきたのだ。

4

遠足を楽しみに
準備をしていた子供のように、
ホームにすぐに入れない事情など
叔母には知ったことではない。

5

切り出してみた。

6

「そんなことない!」と
ズバリ否定したら夫と同じ。

7

ここからは、私は女優。

8

嘘も方便。

9

たとえ現実はどうであれ

10

優しい嘘なら許されるわ。

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叔母の表情が変わっていくのがわかった。

叔母「でも、外出はできないんでしょう?」
私「そんなことないです。
たまには一緒に外でご飯食べましょうよ!」


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構ってちゃんは、母と同じ!

母が相手を困らせたい時にいつも言う。

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でたーーーー!
一人でなんて行けないのに。
知り合いがいるわけでもないのにさ。

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はいはい。

私「いつから?」
母「いつでも」
私「何時のフライト」
母「何時でもいい」
私「じゃ、早い方がいいから明日の朝ね」
母「・・・・・・・」
私「じゃ、朝7時に迎えに来るね」
母「一人で行ける」
私「わかった!」

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まったくどれだけ構ってちゃんよ?

でもね、心にないことをつい言っちゃう。
構ってちゃんな女心・・・
私もわからなくもないの。

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まさにこれだ!

困らせたい、構って欲しい、
私の不満を聞いて欲しい!
叔母の感情もまさにこれでしょ?

案の定、
叔母の口から次々と出る甥の愚痴。
女は聞いて欲しいの。
共感してもらいたいの!

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いつの間にか夫が戻って来たけど
御構い無し。
いくらでも共感してあげる。

そして、私たちが帰ろうとした
その時だった。

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叔母がそんなことを口にしたのは。

家に帰ると、
夫の携帯に叔母から電話が入った。
暗い声で電話に出た夫の声が
すぐに変わった。


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電話を切った夫が言ったわ。

20

あれから心変わりをしたという
連絡はまだ叔母から来てはいない。

現在、
ケアマネさんやホームの方と相談して、
叔母の入居準備を進めている。



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私が良い人キャラに映ってたら大間違いで、ただキレないだけのこと。CA時代のK先輩に感謝することがあるとすれば、私は相手が感情的になればなるほど、『なんでそんなに怒っているんだろう』とかえって冷静になっていくこと。母は感情的な人間なので、前に言われたことがあるの。「こっちがこんなに怒ってるのに、あなたのその淡々とした態度に余計腹がたつのよ」と。(大丈夫、もう慣れっこよ)コメントで優しいとか書いてくださる方、ごめんなさい。姉と母や父への暴言(愚痴)を吐いては、ストレスを発散してる鬼だから。