学生街を夫とふたり歩いてた。
お昼時とあって
周囲の食堂には学生がたくさん。

そんな光景を見ていたら・・・
ある考えが浮かんだの。

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そう、そこで私は
学生相手に食堂を開くの。

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お腹を空かせた学生に 
手作りのご飯を提供するの。

儲けは要らない。
原価でいいの！ 

きっとあの人たちも
手伝ってくれるはず！

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若い学生に囲まれて
東京のお母ちゃんと慕われ、
私たちのやりがいになるわ！

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でね、その子達が卒業して
立派になって訪ねてくるの。

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私たちはテレビカメラを前に
少し戸惑いながら答えるわ。
当たり前のことをしたまでだって。

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夫が横からぽそり。

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そうね！
今すぐ開かないと間に合わないわね！

私がうっとりしている横で
夫はまるっきり違う
イメージが浮かんでいるそうで・・・

夫が頭に描いたイメージは
華々しく開店した店。

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開店直後は、連日大盛況！

しかし・・・１ヶ月後

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その頃、店の外では

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東京の母ちゃんたちのおしゃべりに
みんな辟易し、
すぐに寄り付かなくなると・・・。

ひどい！と言いかけて、
十分ありうるかもとあきらめた。



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きっと学生街で食堂なんか開いたら、嬉しくてババアいろんなことを聞いちゃいそう。徹子の部屋状態の食堂に、今時の学生はうんざりして、足を運んでくれなくなるわ・・・。でも、将来の夢は若い人を応援する何かがしたい。本当に応援したいなら、大人しく、お金を寄付すればいいんだよ！と娘たちは言うけど、いやよ！だって、喋りたいんだもの！