からのつづき

ショートステイから2週間、
ついに父の入所の許可がおりた。

この2週間で父の状況が
落ち着いたかと言えば・・・

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父のこと、我々家族のことも考えてくれて
入所を認めてくれたようだった。

本格的な入所が決まると
提出する書類がたくさんあった。

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姉が書類の束を差し出した。

まずは、簡単に書けるもの。

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それらの書類を書き終えると
姉が言った。

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まずは、事故発生、発見後、
どの程度から連絡して欲しいかを
確認する内容の書類。

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緊急性を要さないものに関しては
連絡しないでもいいことにした。

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姉は一息ついて、そして、言った。

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加齢に伴う衰弱を迎えたとき、
父の終末期をどこで過ごさせるかの選択だ。

わかりやすく説明すると、こうだ。

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この看取り=終末期を迎えた時
このまま施設に残るか、他に行くか?
決めなければなかった。

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病状の改善が見込まれない場合、
積極的な医療行為は行わずに
このまま施設で最期を迎えるか
それとも
医療機関で積極的な延命治療を受けさせるか。

以前は医療機関へ入院し、
最期を迎えるケースが多かったそうだ。

しかし、近年では、
その人らしい最期を迎えるために
施設や自宅で静かに死を迎える
「看取り」の考えが広がり、
病院で死を迎える人を上回ってるという。

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姉といろいろ考えて、答えを出し、
それらの書類を持って施設に行った。

施設の人が、1枚1枚確認しながら
やはり終末期の意思確認の書類を手に

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何を選択したのか、
あえてここには書かないでおく。

なぜなら、答えは
その家族によって違うと思うし、
(脳死における臓器提供の考え方が
人それぞれ違うように)
また、その時がきたら
私たちの考えが変わる可能性も
ゼロではないから。

ただ、今回しみじみと感じたのね。

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当たり前のことではあるが
私たちは親の最期のことを
具体的に考えなければいけない時期を
迎えたということだ。

またいつかにつづく



 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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17回に渡り、父が施設に入るまでの話を書いてきました。その間、たくさんのコメントをどうもありがとうございました。一旦、連載はここで区切りをつけたいと思います。でも、単発では、これからも引き続き書いて行こうと思います。

親が歳を取り、誰かの手を借りなければ生活できなくなった時、家族が面倒をみるか、施設に入所させるか、どちらが正解なんて決められることではないと私は思うんですね。本人が、家族が、どうしたいか、それに尽きると思います。それぞれの家庭で、他人には見えない事情があって、いろいろな思いを抱きながら、悩み、出した結論であるならば、それがその家族にとっての正解でいいんじゃないかと思うんですよ。だから、私が今回書いたことも、ある一つの家族の話くらいに、受け止めていただけたら幸いです。
そして、父ですが、今でもたまに電話はあるけど、それなりに新しい環境に慣れてきたようだ。この間、施設の方が父の誕生日に撮ってくださった写真を見て、姉が言った。「パパ、髪染めたみたい」確かに、なんだか髪が黒々と、若々しくなったような? 早くコロナが終息して、父に会いに行きたいです。