先日、
高校時代の友人Tちゃんと会った時、 
彼女が父ヒロシの思い出話をしてくれた。

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そうだ、
入学式は平日だったのか
それともそんな時代だったか？

もう覚えてないけど、
お母さんたちの中に
父親はうちの父だけだったことは覚えてる。

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当時、親は台湾に住んでいたので
私は母の妹のJおばさんの家から
高校に通うことになった。

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母はちょっと前まで日本にいて
私の新生活の準備などして
帰国したばかりだったし、
父は仕事で忙しい。

ところが、入学式直前になり
父から電話があり、

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張り切っている父に反し、
私はというと

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こうして、父は私の高校の入学式に来た。

先生が言った。

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高校生の私は、
1人だけ父親なのが恥ずかしくて
太ってる父も恥ずかしくて
必死に父にサインを送った。

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ところが、お構いなしに
どんどんやってくる父。

そして、私の席の横に立った。

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もう！　ほんと勘弁してくれー！

入学式の写真は、
すべて仏頂面な私が写ってる。

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今思えば、なんて娘だ。
わざわざ私のために
一時帰国して、式に出てくれたのに。

でも、
高校生だった私は
そんなことも考えられず、
ただただ恥ずかしくて恥ずかしくて・・・。

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Tちゃんは「それまでお父さんのことを名前で呼ぶ友達なんていなかったから、ヒロシがさーといろんな話を聞くのが楽しかった」と。いや・・・私の周りでも父親のこと、名前で呼ぶ人なんていなかったよ・・・。でも、うちの父は「ヒロシ」と呼ぶと、なぜか喜んでいたのよね。