姉が大学生、私が高校生、
当時の私たちの夢は大きくて

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身の程知らず?
いや、私たちは信じていた。
努力すれば、絶対叶う!
それが若さってやつだ。

でも、今の私なら2人に
そっとアドバイスするわ。

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だって、周りからいろいろ言われたもの。
友達のお母さんにも言われたことがある。

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その言い方が、
全然羨ましそうでなかったのは
高校生の私にもわかったので

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姉は当時、早稲田大学の学生で
演劇を専攻していた。
周りには演劇好きの学生が集まっていて
「この芝居が素晴らしかった」
「絶対、観に行った方がいい!」
そんな仲間たちに影響され、
いろんな芝居を観に行っていた。

でも、いつも一緒に行くのは私だった。

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私は姉について行くだけ。
当時は考えもしなかったけど、
チケット代は、姉が家庭教師のバイト代から
出してくれていたんだと思う。

そんな感じで、暇さえあれば、
アングラから帝劇まで
いろんな芝居を観に連れて行ってもらった。
私が観劇が好きなのも、
この時の姉の影響だと思う。

さて、いよいよ姉も大学4年になり、
就職活動の時期を迎えた。

バブル期で、周りはみんな良い会社に
いくつも内定をもらったり、
内定拘束で海外旅行に出かけている中
姉は就活する素振りも見せなかった。

そして、ある日、宣言したのだ。

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驚いたのは、親ではなく妹の私の方。

確かに、姉の夢は役者になること!
であったわけだけど・・・
私は勝手に、姉は普通に就職すると思ってた。

いつも姉は
親が心配しない堅実な道を歩いてくれていた。
だから、そんな姉のお陰で、
私は安心して、好き勝手に
自分のやりたいことをしてこれたわけで・・・

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しかし、心配は要らなかった。

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なんておめでたい人たちなんだろう?

そして、卒業後、
姉は劇団の入団テストを受ける日々。
◯◯座、◯◯塾、東京◯◯◯etc・・・

落ちて、凹んで、また這い上がり、
受けて、落ちて・・・

ようやく某劇団の練習生に決まり、
劇団とバイト生活が始まった。

その間、舞台に立ったり
(初舞台は、たまたま出張で日本に帰ってきた父と観に行って、幕が開き、姉が舞台に登場した途端、嬉しくって2人で大号泣。姉に後で「泣く話じゃ全然ないのに、最前列であんなに泣かれて恥ずかしかった!もう勘弁して!」と怒られた。忘れもしない井上やすしさんの『11ぴきのねこ』、泣く要素どこにあるのか?)
映画のちょい役に出たり・・・
(パジャマ姿の患者役、スクリーンの中、必死に探した)

そして、バイト、時々、役者
そんな生活が続いた数年後のこと。

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そこからきっぱり演劇をやめ、
観光業を勉強するため、LAに留学した。
そして、その後、姉は添乗員になった。
(変わり身の早い前向きな姉だ)

なんで、こんな長い話を書いたかというと、
私の次女の話に続く。

今、次女は役者になるために頑張っている。
レッスンの出来に一喜一憂、
落ちたオーディションは数知れず。

そんな次女を身近で
一番、応援してくれたのが姉だった。

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良き理解者で、励まし担当でもあった。

そして、今年の初夏、
ようやくドラマのオーデションに受かった。
その時、すでに年内の余命宣告を
受けていた姉だったが

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「すごい!すごい!」は、姉の口癖。

姉は自分のことのように喜んで
秋の放送日を楽しみにしていた。


10月になると、姉のカレンダーは
往診やリハビリのスケジュールで
埋め尽くされていったが
その中に、次女のドラマが始まることが
記されている。

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今、次女はカンテレ制作フジテレビ系
月曜10時からのドラマ『エルピス』に
中村優香役で出ている。

1話と2話までは
姉もベッドから観てくれた。
でも、その後は、テレビを観れる
体力はなくなっていた。

楽しみにしていた今夜の7話、
(特に)8話の放送には間に合わなかった。
元気だったら、どんなに喜んでくれただろう。

でも、きっと一番いい場所を陣取って
「竜ちゃん、すごい!すごい!」
いつもの調子で言ってくれてるはずだ。







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若気の至りで夢を宣言していた私たちは、周りから「テレビを観ても全然出てこないけど・・・」とか「本屋に行って探しても見つからない」とか・・・散々言われたのよね(涙)。だから、次女が俳優を志した時、あまり表立って言うのは控えようと思っていた。必ず叶う夢ではないから。でも、よく姉が「あんたが応援してあげないでどうするよ」と言っていたことを思い出し書いてみた。先週の予告編に出ていたからちょっとは出ると思う。エルピス、見てください。あっ、姉に負けず劣らず応援してくれてるこの人を忘れてた、ごめん!