キッチンでおかずを作っていたら…

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あれはー
姉が亡くなる1ヶ月ほど前のことだ。

その頃、姉はほとんどの時間を
ベッドの上で過ごしていた。

あの日、姉が私に言ったのだ。

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仕事で忙しいのに、帰ってきてから
自分の世話もしくれる夫に
夕飯を作ってあげたいと。

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私は、キッチンに行って、
姉に言われた通り、材料を刻んだ。

刻みながら、

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すると、ベッドが置かれたリビングから、
姉の声がした。

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しばらくすると、
車椅子に乗った姉がキッチンに現れた。

そして、現場監督のように
私に指示をした。

炊き込みご飯を炊飯器にセットすると
姉がまた言った。

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再び、私は姉の指示に従い、
さつまいもを輪切りにし…
姉の言う通りに味付けをした。

その時、作ったさつまいもの甘煮。

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正直、レシピなんてなかった。
あの時、姉は…

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だから、今日も
姉のその動作を思い出しながら作ったのだ。
 
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ホント適当。
でも、それがなかなか美味しいのだ。


長女がひっそり撮っていたその時の写真。

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「任せてられないわ」という
姉の声が聞こえてくるようだ。 



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あれから何度もさつまいもの甘煮を作ったが、作るたび、車椅子に乗って、キッチンまでやってきた姉のことを思い出す。