大好きな理子さんの新刊新書。
帯からすごい!

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そう、理子さんの書くエッセイは、
いつだってキレイごとなんて書いてないから!

ご主人のご両親の介護奮闘記だ。
茶道教室を営み、身だしなみにも気を使う、聡明で完璧な主婦だったお義母さんが認知症になってしまった。おかしいと最初に気がついたのが嫁である理子さんで、そのことを息子であるご主人に伝えると、「べつにおかしくない」とムッとしたそうだ。
いや、わからなくもない。私だって、母がなんだか怪しいと姉と疑いだした頃、なかなか受け入れられなかったから。

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女性の方が同性である母親に厳しいと言うけど、そんな私たちだって母の認知症を認めるのにかなり時間がかかった。息子なら、なおさらだろう。

お義母さんが認知症になったことがきっかけで、義父母の介護が始まった。翻訳や文筆の仕事に加え、家事に育児という多忙な生活の中、義父母は次からへ次へと事件を起こしていく。もちろん、悪気がない。悪気がないからタチが悪い(失礼)。言い聞かせてわかってもらえる相手ではないからだ。

理子さんの得意の毒舌が冴え渡る。「遊びじゃねんだよ!」「草むしりで転んだんかーーーーーい!」そんな理子節が炸裂する。理子さんは必死なんだけど、読んでる私は無責任なもので、ついついクスリと笑ってしまう。でも、それもすごくよくわかる! 私も姉とどれだけ汚い言葉を吐きあったか!

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不思議なもので暴言を吐くと、普通に愚痴を言うより数倍スッキリするのだ。心の中のドロドロが浄化されて行くように感じられた。

ある時、トークショーで当時の親の話をした際に、つい興奮して「止めてねーし!」「勝手にしろ!」など暴言を吐いていたら、
トークショーが終わったあと、聞きにきてたマリリンに注意をされてしまったこともあった。

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普段はあんな喋り方はしないけど、でも、ストレスを溜めないためには暴言も必要なんだ!
ほら、海に「ばかやろー!」と叫ぶみたいな?

私は読みながら何度も本に向かって叫びたくなった。
理子さん、「私にはわかるよーーー!」(by『虎に翼』直道)と。

理子さんのドタバタな日々、奮闘、そして毒舌に笑い。そして、笑いだけじゃなく、完璧だったお義母さんの変化に戸惑う姿、そこに寄り添う様子が超リアルで、ホンネ150%、キレイごとゼロ!の介護奮闘記です。



義父母の介護(新潮新書)
村井理子
新潮社
2024-07-18


義父母の介護 (新潮新書) [ 村井 理子 ]
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いや、本当に帯の通り、ホンネ150%!キレイごとゼロ!の本でした。